裁判では、賄賂を渡したとされる設備会社社長は「渡した」と証言。一方、受け取ったとされる市長側は「受け取ってはいない」と反論。双方の意見が真っ向から対立し、どのような判決が出るかに注目が集まっていた。
「穏やかな田舎町に現役市長が逮捕されるという衝撃が走ったのはちょうど今から約一年前のこと。地元メディアはもとより、普段美濃加茂市のような地味な市にはまず取材に来ない名古屋圏のテレビ局各社までもが大集結し、真相を追いかけた」(地元フリーライター)
当初、記者の間では「次の市長は誰になるだろうか」という話で持ちきりになるなど、マスコミのスタンスは市長を疑って見るものだったという。しかし、彼らの取材は難航した。
「取材を進めれば進めるほど、設備会社の社長は地元では黒い噂の絶えない人物として有名な人だったということが分かってきた。一方で市民の不安の声を集めようとしても聞こえてくる声は“市長を信じてる”“若いのに頑張っている”などのコメントばかり、市民の8割は市長を支持していると会社に報告したところ、デスクから“ちゃんと取材してんのか”と怒鳴られた新人記者もいたと聞く」(同)
市民の信頼を勝ちとり晴れて職場復帰を果たした市長だが、検察側は控訴する予定という。(明大昭平)