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【昇天の1冊】著者インタビュー 吉野量哉 『アウトローと語る社会問題』 医学と看護社 1,800円(本体価格)

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提供:週刊実話

★アウトローにもルールが存在する

――自身も少年期、暴走族の総長だったそうですね。現在、少年非行などの社会問題に取り組んでいるのはなぜですか?
吉野 ずいぶん昔ですが、千葉の松戸で暴走族をやっていました。この仕事を始めて20年ほどになりますが、正直に言うと、当初はただ単にビジネスという感じでした。しかし、編集者さんやテレビ制作者さんらと行動を共にするうちに、徐々にですが気持ちが入ってきましたね。キャスティングをし、取材や撮影を通して彼らのリアルに触れるたび、次第に仕事とは別の興味が湧いてきました。

――本書では監修者としてキャスティングにも関わっていますね。
吉野 今まで僕が携わってきた雑誌などでは、名うてのアウトローの方々を紹介してきました。本書では、元々はごく普通の女の子だったにも関わらず、ダメ男やドラックと出会い、自ら命を絶ってしまおうとした人や、自分は一番にはなれない男だから、力のある盟友を陰から支え続けようと決めた人など、今までとは少し観点を変えてみました。もちろん、名だたるアウトローもページに入ってますけどもね。

――吉野さんが見た“アウトロー”とは、どんな人たちなんでしょうか?
吉野 僕は少年時に暴走族をやっていたことが、法に触れる“悪いことだ”と理解してやっていました。しかし、近年は、オレオレ詐欺や高齢者宅に押し入り強盗する輩たちが出てきて、悪行を繰り返しています。私的な見解になりますが、詐欺や強盗などの罪を犯すことに対して、“良心の呵責に苛まれない”ような人たちこそ、本当のアウトローなのだと思います。

 本書でも記してますが、ドロップアウトした人間の中にも、根っこの腐っている者と、そうでない者がいるのです。

――犯罪撲滅の難しさや、不良の高齢化を指摘されていますね。今後、アウトローと社会の関わりはどうなっていくと思いますか?
吉野 恐らく、社会とアウトローの関わりが断絶され、犯罪が増えるのではないかと考えています。行政や司法にも問題があるように感じますね。クリーンなイメージばかり先行させ、ヤクザのシノギから風俗、喫煙にいたるまで、締め付けばかりが強くなり、他は疎かになっている気がします。

 本物のアウトローが少なくなる一方で、法に縛られない輩や、不良外国人らが野放しになっています。僕の知る限りですが、ある程度の悪さを経験していない者ほど、性質が悪いのです。アウトローにもルールが存在するということです。
(聞き手/程原ケン)

吉野量哉(よしの・かずや)
本書では監修を務める。少年期は暴走族CRS連合松戸スペクター十六代目総長として活動。他の著書に『暴走族、わが凶状半生』(コアマガジン)、『無罪〜裁判員裁判372日の闘争…その日〜』(竹書房)など。

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