現在、北村弁護士は日本相撲協会から八百長関与を認定され引退勧告を受けながらも、それを拒否して、4月14日に解雇されたモンゴル出身の元十両・星風のボルド・アマラメンデ氏(27)の裁判を担当している。
元星風が給与の仮払いと力士としての地位保全などを求めた仮処分申請の審尋が、6月22日、東京地裁であり、金銭面で暫定的に和解。協会は元星風に十両の月給に当たる103万6000円を、6月から1年間支払うことになった。これは、9日に暫定和解した元幕内・蒼国来の恩和図布新氏(27)とほぼ同内容。ただ、地位保全についてはまとまらず、復帰を目指す元星風は来週にも提訴する意向。
北村弁護士は協会が提出している資料には、元星風の八百長関与を認めた元力士2人の供述書がないと指摘。「新しい証拠を示さなければ、相撲協会は勝てないと思う。現時点ではこちらが圧倒的有利」と自信たっぷり。また、「公益財団法人になりたくて、大量の処分者を出して浄化が終わったという外形を、早く出したかったとみられても仕方ない」と協会を批判した。
対する協会側は「蒼国来の時と同様に、訴訟における厳格な手続きの下で、故意による無気力相撲の存在を明確にする方が望ましい」とコメント。元蒼国来同様、裁判で争う姿勢を示した。
(落合一郎)