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高橋四丁目の居酒屋万歩計 「らむや」(ジンギスカン)

 東京メトロ銀座線・浅草駅7番出口から徒歩440歩。

 初夏にしてこの暑さである。気象庁は3〜5月の平均気温が、1946年の統計開始以降4番目の「暖春」であると発表した(東京新聞6月2日付)。気象予報士たちも、うれしそうに今夏の猛暑ぶりを予測している。彼ら、彼女らは地球温暖化が、赤潮が、エルニーニョが大好き。そして推理好き。自分の下した予測は、かならず当たるか外れるかするのだから、一粒で二度おいしい。TV各局の予報士たちは、趣味が生業(なりわい)になっていることへの感謝の念がありありと顔に出ている。旧約聖書に書かれてある海が割れるような天変地異を、連中は死ぬまでに一度見てみたいと本気で願っていると、わたしはにらんでいる。
 世の中に毒殺事件がおきると、かならずTV画面ひっぱりだされる白髪の某教授は、毒薬への隠しようもない愛着が表情に出ていらっしゃるし、その伝で火山学者は噴火が好きだろうし、地震学者が津波を嫌いなわけがない。わたしは温かく容認するものである。なぜならばそれらは偏愛に基づくものであって、昨今いたくご活躍のエコノミストと称する連中の愛の欠片もない言動より、よほど受け入れやすいからだ。りゅうとしたスーツに身を固めた諸君には、せめて経済変動が好きという正直な表情をみせていただきたい。でなければ予想の当たらなかったとき、あまりにみじめなことになりはしないか。

 炎天下、これからかんかんにあぶった七輪の炭火でラム肉を焼きに行く。渋谷に「羊頭狗肉」(羊頭をかかげて狗肉を売る=見かけが立派で実質が伴わないたとえ)なる看板を下げたジンギスカン料理の名店が撤退してしまい、羊肉好きとしてはさびしい思いをしていたところ、ちかごろ浅草にその名も「らむや」という、なかなかの店ができたと聞いた。ラムは、生後1年未満の子羊の肉。羊毛を刈り取ってから雌羊を食用にするのがマトン。不幸にして羊肉を嫌いになる人は、十中八九、下手なマトン料理との出会いがそうさせる。羊肉に偏見をもたれている方々にこそ「らむや」の真正ラム肉を食べていただきたいものだ。うまい、安い、熱い。野菜がついたジンギスカンセットが980円。ぐいぐいビールを飲んで、んめーと、羊の鳴き声しておうちに帰りましょう。さてそこで、すっかりラムびいきになったあなたへクイズです。ジンギスカン鍋はなぜプラネタリウムのように盛り上がっているのでしょうか? なぜ鍋全体に細かく穴が開いているのでしょうか? その答えは、燃料が羊のフンだから。遊牧民は何ひとつ無駄にはしないのです。また敬遠気味になってきましたかな。

予算2800円
東京都台東区花川戸1-8-11

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