10月クールのドラマ、紀香は「ギネ 産婦人科の女たち」(日本テレビ系)に主演している。やたらクールで自信家の産婦人科医を演じているのだが…、これがすこぶるいい。本当にあの紀香なのかと思い、日テレに電話して確認しようかと思うくらい、にわかには信じがたい演技のうまさ。しかし、彼女は実在する藤原紀香その人だった。
というのも、皆さんご存じの通り、藤原紀香といえば、何を演じさせても役者になりきれず、というよりも藤原紀香以外の何者にもなれないという、まったくありがたくないレッテルをペタリと張られて久しいご仁。うまいとか下手とかいう問題ではなく、“藤原紀香”が強すぎて、役を包み込んでしまうというか。
これまで出演してきた「ニュースの女」「WITH LOVE」「ハッピーマニア」「ナオミ」「大奥」。どれもそうだった。
だから、ドラマでの代表作は彼女にはない。赤十字の特使としてアフガンやバングラデシュに行ったり、ドレッシーな格好をしてK-1のリングサイドで熱烈声援を送ったりしているイメージが強いのだ。藤原紀香は藤原紀香として活動した方が得策だったわけだ。よって、「バスロマン」のCMで藤原紀香として谷間をみせながら入浴シーンを披露する方がはるかに向いている。
ところが、どうだろう。どういうわけか知らないが、「ギネ」では完ぺきに役に入り切っている。役者としての自分の風評はおそらく聞きおよんでいることだろう。それだけに心に期するものがあると察することができるが、それだけが理由とは考えにくい。離婚を経験したから? それとも何か別の理由が?
初回こそ視聴率14.8%を取ったものの、2回目以降はやや落ちてしまったこのドラマ。だが、今の紀香を見ておいて損はない。それどころか見ないと損! ついでに「バスロマン」のCMもよろしく!!