花火大会は地元では特別な行事だったようだ。
「福知山の花火大会といえば、北近畿イチの花火大会で、この辺りじゃ年に一度の大行事。普段、歩いている人など皆無に等しい広小路商店街が、露店と見物客で前に進めないほどになり、地元の中学生・高校生の男女にとっちゃ、みなこの日のために最高のおめかしをして出かけていく、そんな日なんだよ」(地元住民)
当日も10万人を超える人々が打ち上げ会場となる由良川の河川敷と、そのすぐ手前にある露店が並ぶ広小路に集まっていたという。
「時間になっても花火があがらねえなあと思っていたら、突然『非難して下さい!』というアナウンスが流れて、みんな何事かと騒然としたんだよ。それから『会場の一部で火災が発声している』との説明があったけど、河川敷にいたほとんどの人からは火の気は見えなかったし、現場を見に行こうにもすごい人混みでとても進めたもんじゃなかった。数分もすると、川の対岸から消防車数台が橋を渡って向かってきてね。その20分後位かな、『本日の花火大会は中止となりました。延期の予定はありません』てアナウンスが流れたらみんな『あ〜あ』とため息をついて、肩すかしをくらったかのようにとぼとぼと帰ったんだよ。みんな事の重大さに気付いたのは家に帰ってからさ。NHKのニュースを見て初めてこんな大事故だったんだってね」(同)
爆発が起きた露店は、大半の露店が集まる広小路商店街ではなく、堤防の先のメイン会場となる河川敷に置かれたベビーカステラ屋だった。
「数年前まで河川敷に露店を出すことは禁じられてたんだよ。それが、一部のテキ屋があの場所に出店するようになって、運営側は見て見ぬふりをしたのがすべての元凶さ。ヤクザがついてるテキ屋には言いにくかったんだろうな」(同)
河川敷への出店は今後禁止される方向のようだが、地元ではそもそも来年も花火大会が開かれるかどうか分からないとの声もあがっている。(明大昭平)