さて、今回紹介するのは若いマニアがうっかり見逃しがちな「ジャムパン」である。
菓子パンのスタンダードといえば、あんぱん、ジャムパン、クリームパンの3本柱と決まっている。ところが昔からジャムパン人気は振るわず、万年3番手。たのきんトリオのヨッちゃん、シブがき隊のフッくん…のようなポジションに甘んじている。
実はこのジャムパン、同店が元祖。あんぱん開発から26年遅れた明治33年、3代目・木村儀四郎が新発売すると大評判になったという。丸いあんぱんと区別するため木の葉型。中身はイチゴジャムではなく、あんずジャムだった。
ご年配の方はご存じだろうが、発売当初はジャムパンといえばあんずジャムだった。
同店はいまも、店頭のジャムパンにはあんずを使用している。伝統の一品だけにジャムペーストは上品な味わい。あんずの果実感が楽しめ、甘すぎず、酸っぱすぎず。ジャムおじさんもびっくりの絶品である。税別180円。(覆面調査員・ヨン様)