選手、首脳陣、スタッフにインフルエンザが蔓延。ここにきて、これ以上の感染を防ぐため、2軍との交流を断絶することを決めた。
ことの始まりは、キャンプ前に高木守道監督(71)がインフルエンザを発症してからだった。キャンプ中に荒木雅博内野手(35)らが発症。3月に入ってからは、川上憲伸投手(37)、山本昌投手(47)らの主力に加え、鈴木孝政2軍監督(58)ら、2軍勢に次々に蔓延。15日には2軍選手から、チーム16人目の感染者が出た。
これで、2軍は野手の人数が足りなくなり、教育リーグの試合運営に影響をきたすため、いったんは1軍選手を2軍に逆派遣することを決めたが、インフルエンザがうつる懸念があるため、急きょ中止した。
さらに、ルーキーの浜田達郎投手(18)、井上公志投手(24)をオープン戦で試す予定だったが、「(入れ替えは)もうやらない。浜田と井上を投げさせようと思っていたけど、もうやめた」(高木監督)と、当面の間、2軍との交流は行わない方針を固めた。
開幕投手が確定している吉見一起投手(28)は、15日のオープン戦に登板。通常なら、名古屋に戻って、2軍選手と一緒に調整するところだが、「あそこは菌(ウイルス)がいっぱいだから」(高木監督)として、2軍組に合流はさせない方針。
本来なら、開幕に向け、1、2軍の行き来を活発化させ、有望な2軍選手の力量をオープン戦で図り、調整不足の選手は2軍で実戦を積ませる大事な時期。それもままならいとあって、2年ぶりのV奪還を目指す中日にとっては、なんとももどかしい状況となってしまった。
(落合一郎)