WBC代表は33人の候補選手が、宮崎での合宿に参加。同合宿で5人を振り落とし、最終的に28人を選出した。
落選したのは中日の浅尾拓也投手(28)、山井大介投手(34)、大島洋平外野手(27)と、村田修一内野手(32=巨人)、聖沢諒外野手(27=楽天)の5人。自軍選手が3人も落とされたとあって、高木監督は怒りを抑えられなかったようだ。
かねて、高木監督はWBC代表の選考方法に対し、「合宿に行って落ちたら面白くない。最初から28人にしといて、ケガ人が出たら補充すればいい」との持論を展開していたが、中日勢が3人も落選し、赤っ恥をかかされたとあって、その舌鋒も鋭くなった。
代表選考の翌日である2月21日、沖縄のキャンプ地で高木監督は「(選考方法を)考えた方がいいんじゃない? そういう声をよく聞く」と発言。最も心配しているのは、落とされた選手の精神面。「本当に残念なのは本人たちでしょ」(高木監督)と、ショックを受けている3選手の気持ちを気遣った。
高木監督に限らず、この選考方法には疑問を呈する声も少なくない。落とされた選手の心が傷つくのは明らかだ。ただ、この選び方なら、候補となった選手間の競争心も生まれ、侍ジャパンの首脳陣が直に見て、最終的な代表選手を選べる利点があるのも事実。
落選した中日の3選手は、浅尾は右肩、大島は左ヒジに不安を抱え、山井は昨季の疲れが危惧されていた。これで、WBCで無理をさせられることがなくなって、高木監督もひと安心ではあるが、落とされた5人中3人が自軍の選手とあっては、体裁が悪いのは事実。文句の一つでも、言わなければやってられなかったのだろう。
(落合一郎)