新日本プロレス、G1最終日完売の流れを復活させた西武ドーム大会。今年は武道館へ!
スポーツ 2018年07月08日 21時15分
2000年8月27日、現在のRIZINの前身である全盛期のPRIDEが西武ドームで『PRIDE.10』を開催した。桜庭和志対ヘンゾ・グレイシーや、当時ケンドー・カシンとして新日本プロレスに所属していた石澤常光がハイアン・グレイシーと対戦するとあって、35,000人もの観衆を集めた。
しかし、西武ドームは通常のドーム球場とは異なり、屋外球場だった西武球場にドームの傘を被せた屋根付きの球場だ。梅雨時はジメジメして、夏はサウナ化し、冬は寒い特殊なドーム球場である。夏場ではスタンドのファンのみならず、埼玉西武ライオンズの選手も熱中症になるほど、グラウンドレベルの気温が上昇し、湿度も半端ない。真夏と真冬にプロ野球関連以外のイベントを開催することは少ないのだ。
そんな中、PRIDEが開催されたこの日は、真夏の暑さに加えて、フジテレビのテレビ用照明がリングを照らし続けていた。故・山本小鉄さんの解説ではないが「リング上ね、40度はありますよ」の40度を超える暑さだったと言われている。実際、当時のPRIDE関係者は「外国人選手が『あんなクレイジーなリングはない』と言ってたし、我々の疲労度も半端なかった。もう一度やろうという話はなかったですね」と振り返っている。
しかしあの日の大会を汗を流しながら観戦し、感動したファンも少なくない。石澤はハイアンのラッシュを前に敗れてしまい新日本ファンはガックリ来ていたが、メインでは桜庭がグレイシーハンターとしての務めを果たしたのだ。そのうちの1人が、当時はファンとして観戦していた新日本プロレスの木谷高明オーナーである。木谷オーナーは「暑い中、みんなで汗をかきながら、最後まで格闘技を楽しめた伝説の興行」と同大会を評価。これが後の新日本西武ドーム初進出へとつながっていく。
2014年、新日本はG1開催期に両国国技館をキープできなかった事情もあり、最終日を西武ドームで開催すると1.4東京ドーム大会で発表。新日本プロレスにとっては初の西武ドームだった。多くのプロレスファンは西武ドームを他のドーム球場と同様の環境だと考えていたよう。8月10日という真夏の興行に観客が耐えられるように、運営サイドは事前に西武ドームの“トリセツ”を公式HPや、動画などを駆使して周知。事故防止に努めた。当日は熱中症対策の塩飴を配布したり、巨大な扇風機を場内に配置すると発表していたが、当日の天候は小雨が降り、気温も上がらず真夏の西武ドームとしては珍しく快適な環境で観戦を楽しむことができた。
決勝の時間になると蝉の鳴き声が響き渡り、夕焼けの自然なオレンジ色にドームの屋根が彩られる中、オカダ・カズチカが中邑真輔とのCHAOS対決を激戦の末に制して優勝している。セミファイナルではA、Bブロックでそれぞれ2位だった棚橋弘至とAJスタイルズがスペシャルマッチを戦い、棚橋が勝利を収めている。
この日の大会の全カードが決定したのは、2日前に行われた8.8横浜文化体育館大会の試合後だった。それにもかかわらず、両国の観客数をはるかに超える18,000人を動員。西武ドーム初進出だったことや、両国以外で初のG1決勝だったこともあったとはいえ、これは特筆すべきことだろう。木谷オーナーは「両国が使えなかったというのもありますが、両国では収まらないという声もあった」と西武ドーム開催について振り返っていた。
翌年から両国3連戦に戻したが、最終日はカードが発表される前に完売するという流れが続いている。これはキャパシティが大きい西武ドーム大会をG1の最終日に一度開催した成果である。
今年のG1最終日は西武ドーム大会以来の両国以外での開催。日本武道館で3連戦を開催する。新日本が武道館で連戦を行うことそのものが初めてであり、12,000〜15,000人の動員が可能な武道館で3連戦を開催するというのは、大きな賭け。東京オリンピック終了までは両国が使用できるか流動的な部分もある。新日本としては是が非でも大会を成功させたいところだろう。
成功すればG1ブランドはさらに高まる。武道館は観戦しやすい会場なので、これを機に定期開催を検討してもらいたいと思う。
【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.15】
写真 / どら増田
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