メインイベントではIWGPヘビー級王者ケニー・オメガにCodyが、セミメインではIWGP USヘビー級王者ジェイ・ホワイトにジュース・ロビンソンがそれぞれ挑戦する。メイン、セミメインともに外国人対決がラインナップされた。その他、アメリカマットでも抗争を繰り広げていたIWGPジュニアヘビー級王者の高橋ヒロムが、挑戦者にドラゴン・リーを逆指名。今回のカウパレス大会はオカダ・カズチカ、内藤哲也、棚橋弘至の新日本の日本人トップスリーが一切絡まない3大カードで勝負する。
カウパレスはかつてビートルズがコンサートを開催した場所。プロレスでは1955年に“鉄人”ルー・テーズの連勝記録が936で止めた会場として知られている。セットの組み方にもよるが、1万人以上の観客を収容する歴史あるアリーナクラスの会場と言われている。ロサンゼルスで大田区総合体育館規模の会場を満員にしてきた新日本にとって、今回の大会は大勝負。木谷高明オーナーも現地に向かった。
日米で内紛状態が続くバレットクラブの頂上対決となったメインイベント。4月にアメリカROHで対戦した際にはCodyが先勝している。ケニーは6.9大阪城ホール大会でIWGPヘビー級王座を奪取した後、同大会でIWGPタッグ王座を獲得したヤングバックスと和解した。飯伏幸太も交えた新ブランド、ゴールデンELITEをバレットクラブの活動と並行して始動させるとしている。
ケニーは「新日本プロレスが“最強の挑戦者”と認定したからこそ、このカードが決定したんだと思う」とCodyの実力を認める。その上で「サンフランシスコで行われるというのも、大きな意味がある。ケニー・オメガ対Codyは、方やIWGPヘビー級のチャンピオンになっていて、相手は“アメリカン・ナイトメア”。これは新日本プロレスの興行ではあるが、どちらにとっても“ホームフィールドアドバンテージ”はない。Cody戦は、俺自身が新日本プロレスを代表して闘う。大きな闘いになるだろう」と、アメリカ開催の意義を力説した。
またバレットクラブに関しては「ケニー・オメガはバレットクラブに属している。そして、くしくもCodyもバレットクラブに属している。こういった状況を考えると、サンフランシスコ大会が終わった時に、しっかりと全てが元に戻って、ファインな状態になればいいなと思っている」と話し、CodyとIWGPのベルトを賭けて闘う事で、内紛問題に終止符を打とうとしている。この内紛問題は、ファンはもちろんメンバーたちからも「疲れた」という声が聞かれている。この試合でモヤモヤした気持ちをスッキリさせ、G1クライマックスに進みたいところだ。
個人的にはヤングライオンとして、ともに新日本の道場で修行を積んできたジェイとジュースのシングルがタイトルマッチとして、アメリカで実現する意義も大きいと思う。現在、新日本はロサンゼルスに道場を新設し、長期欠場中の柴田勝頼らが指導にあたっている。旧ロサンゼルス道場からは、現在WWEのカール・アンダーソンら数々の名選手を輩出した実績がある。ジェイとジュースの試合は新日本の全米進出をアピールする上で重要な試合と言っていいだろう。拳の怪我が気になるところだが、ジュースはランディ・サベージを彷彿とさせるスタイルを追求し始めてから、スター級のオーラを放ち始めている。ジュースの奮闘には期待したい。
今大会は新日本プロレスワールドを通じて全世界に生配信される予定だ。
取材・文・写真 / どら増田