かの「漫画の神様」手塚治虫も、青い人間のようなものを目撃したことがあるという。
『別冊太陽75』(1975年7月12日発行)に、手塚の住んでいた家にまつわる奇妙な体験談が掲載されている。
手塚が住んでいた家は、南側と北側で異なる地霊がいたらしい。なぜか南側だけで地鎮祭を開いたため、北側の地霊は納得がいかず、多くの怪異な事件を引き起こすようになったという。
家の北側には、編集者が泊まる4畳半部屋があったのだが、この部屋が問題のある部屋だったという。
そこで寝た編集者はうなされるようになる。窓の外にあるガレージに人がいる気配がするようになったというのだ。
また、その部屋でアシスタントの女性が「白い影を見た」と言い、そこに寄り付かなくなったという。
こうした怪異な出来事が続く中、手塚本人もその怪異現象を目撃することになる。
ある時、手塚の仕事部屋で、原稿を待つ各社の編集者たちが麻雀を始めた。手塚は4畳半に移り仕事に打ち込んでいると、ガレージの方が明るくなり話し声が聞こえたという。
窓のカーテンを開けると「人の形をした青いモノ」と目が合った。
仰天した手塚は仕事部屋に逃げ込んだ。
その後、スタッフや編集者を含めた全員で確認したが、何もいなかった。
あまりにも奇妙な出来事が頻発したからと、結局その家から引っ越したのだという。
(山口敏太郎)