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アメリカの女流予言者、ジーン・ディクソンの栄光と挫折

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 アメリカで最も「的中率の高い予言者」と言われた女性がいる。それがジーン・ディクソンだ。

 彼女が的中させた事例を紹介しよう。第二次世界大戦の末期には、ルーズベルトの余命を予言し的中させている。戦争が終わりに差しかかったとき、余命を気にするルーズベルトに対し、「来年の夏まではもたないでしょう」と予言した。彼女が言う通り、ルーズベルトは戦争の終結を待たずして亡くなっている。

 また、彼女を最も有名にした事例は、ケネディ暗殺を予言したという伝説である。彼女は雑誌「パレイド(1956年5月13日号)」誌上に「1960年に選出される予定の青い目の民主党出身の大統領は、暗殺されてしまうだろう」と予言したとされる。暗殺日の直前、ディクソン女史は暗殺犯(オズワルド=Oswald)の名前について「5字か6字で構成される名前で、2番目のアルファベットはSのようだ」と述べて、的中させているのだ。また、インドのガンジー暗殺も予言。さらに1984年に来日した際は、日本の経済規模がアメリカを追い抜き世界一になると予言し、その後にやってくるバブル崩壊にまで言及したという。

 もちろん、2012年を含む“終末”に関しても予言していた。1962年生まれの“偽の指導者”が出現し、大きな力を振るうと述べたのだ。この偽の指導者は、全人類を残すべき人間と、抹殺すべき人間に振り分ける使命を持ち、その混乱と争いによるハルマゲドンは、1990年代から2030年代まで続くと予言している。

 このハルマゲドンのピークは2015年であるという。しかし、神は決して人類を見捨てることなく、2030年以降は平和に満ちた楽園が構築されるというのだ。まさに聖書の「千年王国」そのままの予言ではないだろうか。

 ただし、ジーン・ディクソンの伝説は、過剰なマスコミ報道によって作り上げられたものという説もあるのだ。事実、彼女の場合は、外れた予言も多いことでも知られる。ある意味“下手な鉄砲、数打ちゃ当たる”とも言えるだろう。ちなみに彼女の外れた予言のうち有名なのは、宇宙開発競争でソ連がアメリカに勝ち、先に月面に着くというものだ。

 早稲田大学の大槻義彦教授がよく口にするが、外れた事例は忘れられてしまう一方で、当たった予言は印象に残るものだ。数を打てば、まるで的中率が高いように思い込まれることもある。皮肉なことにこのことを世間は"ジーン・ディクソン効果"と呼んでいる。

(山口敏太郎)

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