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『史上最強の弟子ケンイチ』第42巻、師弟関係重視の格闘漫画

 松江名俊が『週刊少年サンデー』(小学館)で連載中の格闘漫画『史上最強の弟子ケンイチ』第42巻が、4月18日に発売された。『史上最強の弟子ケンイチ』は、いじめられっ子の白浜兼一が道場・梁山泊での修行や様々な武術家との戦いで成長していくバトル漫画である。少年漫画の王道であるバトルを中心に、お色気やギャグ、感動ドラマなどなど少年漫画の要素が盛り込まれている。

 この巻では、梁山泊の面々が沖縄米軍基地にある秘密組織「闇」の拠点に潜入し、闇の勢力と激突する。岬越寺秋雨と馬剣星は「闇」の武器組と戦う。激しい戦いの中でも、お色気あり、ギャグありと達人クラスの安定した実力を見せつけた。そして兼一とアパチャイ・ホパチャイは最上階に進み、それぞれの因縁の相手と対決する。この戦いの中でアパチャイの過去編に突入する。

 少年マンガの王道を歩む『史上最強の弟子ケンイチ』であるが、主人公の兼一が「史上最強」と銘打っていても、弟子である点が大きな特徴である。鳥山明の『DRAGON BALL』で孫悟空が亀仙人の下で修業をするなど、主人公が弟子入りすることは王道漫画の定番である。しかし、あくまでヒーローは主人公であって、いつまでも主人公が弟子に甘んじることはない。主人公は師匠を乗り越えていく存在である。

 これに対し、『史上最強の弟子ケンイチ』は弟子であることに価値を置いている。これは敵側の「闇」も同じである。今回は活人拳のアパチャイの弟子である兼一と、殺人拳のクルー・アーガードの弟子であるティーラウィット・コーキンが対決する。自らの育てた弟子の優劣によって武術家の優劣も定まる。しかも、アパチャイは、かつてアーガードの弟子であったという深い関係にある。師弟関係が物語に深みを与えている。(林田力)

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