新生活で急増 心身滅ぼす低周波音症候群の脅威

ノンジャンル 週刊実話 2012年04月24日 12時01分

 昨今、低周波音症候群に悩む人が増えているという。その原因は身を置く環境に潜み、いつの間にか心身ともに蝕んでいく。新生活が始まる今、特に注意が必要だ。

 「単なる頭痛ではなく、何か脳が引っ張られるような凄い不快感がするんです。しかも、決まって朝方のこと。仕事に出かけると症状が消えるんですが、帰宅して眠ると必ず症状が出る。もう我慢できなくなって病院に駆け込みました」
 こう語るのは、都内に住むサラリーマンのAさん(30)だ。
 最初にAさんが受診したのは心療内科だった。不眠、鬱症状を訴えるAさんに、医師は精神安定剤を処方したという。ところが、安定剤を服用しても症状は治まらず、悶々とする日々が続いた。
 Aさんは都内のベイエリアに住んでいた。不快感の原因がマンション前の運河を航行するタグボートだとわかったのは、半年後のことだった。

 ここ数年、そんな低周波音に対するアレルギーを持つ人が急増しているという。
 「人間が聞き取れる音は20ヘルツ〜2万ヘルツの間といわれ、20ヘルツ以下の聞こえない音は“超低周波音”と呼ばれています。これを発するのは、空調機器や冷蔵庫のコンプレッサー、風力発電の風車、それに電車、自動車、船舶、航空機のエンジン音など。最近、こうした継続的機械音に敏感に反応する人が増えているのです。頭痛やめまい、イライラ、不眠を訴え、やがて深刻な不定愁訴の症状が出る。治療といっても、原因を取り除く以外にない厄介な健康障害です」(世田ヶ谷井上病院・井上毅一理事長)

 Aさんの場合、結局、住まいを江東区のマンションから郊外に移し、深刻な頭痛は治まったという。
 この低周波音症候群を訴える患者の特徴は、家にいると強い症状が出て、外出すると消える点だ。
 井上理事長が続ける。
 「昼間は生活音があるので低周波音はマスキングされ気になりません。しかし、夜になり静かになると症状が出てくる。しかも個人差があって、家族の中でも聞こえる人と感じない人がいるんです」

 環境省にも低周波音をめぐる苦情や相談が相次いでいる。
 その一つを紹介すると−−。
 新築家屋の住人から、低周波音により家全体が揺れ、特に2階では揺れがひどく睡眠に支障をきたすとの訴えがあった。
 調べてみると、床だけでなくカーテンも揺れていた。測定の結果、2階寝室では4ヘルツの低周波音が観測されたという。同時に、人体にはっきりと感じられる4ヘルツの振動音が観測された。原因は、道路を隔てて100メートル離れた工場のプレス機器による地盤振動。加えて、家屋も振動しやすい構造になっていた。結局、工場の機械を制御することによって振動は低減し、苦情者も納得したという。

 冒頭のAさんは、ベイエリアに住み始めてすぐに症状が出たわけではない。発症したのはマンション購入後、3年目の春だった。
 「普通、騒音被害は慣れていくものですが、低周波音過敏症は数週間から数年の潜伏期間があるのです。そして、それまで何でもなかったのがある日突然、気になりだす。しかも少しずつ鋭敏になり、やがて耐えきれなくなるほどの苦痛になるのが特徴です」(医療関係者)

 では、音を聞こえにくくすればいいかというと、むしろ逆だという。
 やはり都内に住む40代の男性の場合、得体の知れない音源に対して、一戸建ての自分の寝室に100万円の防音工事を施した。ところが、音は何もしないのに不眠、イライラの症状は増すばかりだった。
 防音、音響設計を手掛け、低周波音に詳しい『ソノーライズ』代表取締役の青木達弘氏が言う。
 「低周波音は非常に透過力が強いので、防音工事をしても壁の上を乗り越え、回り込んで伝わる。建物そのものが振動している場合、床、壁、天井すべてに振動対策をしないと、せっかく工事をしたのに何も変わらないケースもあります」

 このところ社会問題になっているのは、夜間の安価な電気を利用してお湯を沸かし保温しておく給湯機。大概、稼働時間は夜11時から翌朝6時までの7時間だが、毎日12.5〜80ヘルツの音を発し、近隣に撒き散らしているのである。
 社会部記者が言う。
 「近年、騒音公害は少なくなりました。反面、増えたのが低周波音の苦情です。企業は騒音をなるべく減らそうと、設備改善の努力をしました。結果、騒音によるトラブルは減った。しかし、かわって増えたのが低周波音によるトラブルです。給湯器によるトラブルも全国で発生しており、実はこの静かな振動による公害は自殺者さえ出しています。全国で低周波音被害者団体が組織され、裁判にさえなっているのです」

 また、今代替エネルギーとして注目されている風力発電所も、近隣住民にとっては低周波音を発する原因になっているという。
 人によって異なる音の問題は、非常に厄介だ。前出の青木氏が言う。
 「家族全員が気になる音であれば対策を立てやすいが、不快に感じる人もいれば、何も感じない人もいる。また、実際に思い過ごしというケースもありますからね」

 最近、何か体調がおかしい…そんな時、“音”に注目してみてはどうか。

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