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那須川天心が提唱したRIZIN世界キックトーナメントが実現!堀口恭司戦実現か?

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那須川天心

 「RIZIN、キックのトーナメントのベルトが自分は欲しいです。強い相手とどんどん戦いたいので、ぜひキックのベルトを作ってください!」

 6日のRIZINマリンメッセ福岡大会で、日本拳法から総合格闘技(MMA)の世界に飛び込んだ中村優作とキックルールで闘い、中村の粘りに苦戦しながらも2R、左ストレートでKO勝ちを収めた“神童”那須川天心。この日発表された『RIZINキックワールドグランプリ2018』について、那須川はさっそく「ベルト」という注文をつけた。

 メインでは堀口恭司がイアン・マッコールとMMAルールで対戦したが、試合開始早々、左フックが決まり堀口はわずか9秒でKO勝利。この試合は天心の試合とともにフジテレビ系列で生中継されており、インパクトは凄まじいものがあった。この試合はK-1を離脱した大雅や、試合を終えたばかりの天心もリングサイドから観戦していた。キックトーナメントのプロモーションとしては最高のシチュエーションの中、衝撃的な勝利を収めマイクを握った堀口は「那須川くん、やろうよ!立ち技最強トーナメント、俺も出ますので。よろしくお願いしまーす!」とキックトーナメントへの参戦と天心との対戦をアピールし、会場からは大きな拍手が送られた。

 天心がRIZINでキックトーナメントを提唱したのは昨年末。大晦日に行われたキックのワンデイトーナメントに手応えを感じての発言だった。

 「ウチは金網じゃなくてリングでやるから、いろんな格闘技をお見せできる。天心とはそこの考えは同じ。彼がやりたいのは旧K-1がやっていたような立ち技のトーナメントなんですよ。例えばフランシスコ・フィリオが極真空手の『最強』(の肩書)を背負って道着で出てくる。散打やムエタイのチャンピオンが同じ形で出てくる。それがカポエラでもいいだろうし、RIZINのバンタム級王者として、堀口がそのトーナメントに挑むようなものができるのであれば、それも面白いと思います」

 榊原信行RIZIN実行委員長はキックトーナメント実現の可能性についてこのように発言していた。

 6日の福岡大会でも榊原委員長は「もちろん那須川選手、堀口選手を筆頭に、世界からもいろいろな選手を集めて“立ち技最強”を決めます。K-1の石井館長が提唱した、あの時代のような“立ち技最強”を決めたい。極真の胴着を着てフランシスコ・フィリォのような選手が出てきたり、アンディ・フグがいたり、ピーター・アーツがいたり。そんな世界観の中でやりたいと考えています。体重や人数はこれから調整していきます。現状は9月の大会からキックオフを考えています」とさらに突っ込んだ話をしている。トーナメントは9月の大会で1回戦を行い、大晦日に決勝を行う予定だ。

 「堀口さんは強いのでやりたいですね」

 そう天心は口にした。常に強さを追い求めている“神童”は対戦相手が見つからない問題に直面。対戦相手には惨敗するリスクもあり、なかなか「やりたい」相手と試合ができない状況が続いている。そんな中、今年は2月にスアキムと過去最高の激戦を繰り広げた。6月17日のRISE幕張メッセ大会では、そのスアキムに圧勝したロッタンとの大一番が決定した。

 「スアキム戦は正直怖かった」

 所属するTEPPEN GYMの会長で実父の弘幸氏は「5Rが終わって帰ってきたとき『よくやった』という気持ちになった。僕もあいつも心のどこかで怖かったんだと思います」とスアキム戦を振り返っていたが、6日の福岡大会では天心のセコンドに弘幸会長の姿はなかった。他のジム生の試合が入っていたため福岡入りはせず、天心がプロデビュー後、初めてセコンドにつかなかったという。車の中で試合をリアルタイムで見たそうだが、中村の鼻を骨折させた左胴回しに関しては、「普段練習でもやってない回り方」と驚いたそうだ。試合後も大忙しの天心はタイへと旅立った。AbemaTVのレギュラー番組も好評で、今後さらに露出が増えてくるのは間違いない。

 弘幸氏は「試合より『ジャンクSPORTS』の方が面白かったぞ」と天心を茶化した。しかしロッタン戦を制し、RIZINキックワールドグランプリで堀口との試合が実現すれば、天心だけではなく、キックの認知度も上がっていく。ぜひ実現させてもらいたい。天心がRIZINに参戦してからまき続けてきた種は、着実に芽が出てきている。

取材・文・写真 / どら増田

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