いつどこで誰が生み出したのか誰も知らない、人でも怪物でもない異形の生物「ベム」「ベラ」「ベロ」の3人の「妖怪人間」が、時には人々に迫害され、また時には友情を育みながら、いつか人間になれる日を夢見て世に仇なす悪と戦い続けるというストーリー。やや影のある設定や、おどろおどろしい独特の雰囲気が当時のアニメの中でも特に印象的だった。
配役は、主演のベム役にKAT-TUNの亀梨和也を、ベラ役に女優の杏、そしてベロ役に『マルモのおきて』で人気を博した鈴木福君と、いずれも話題の人物を起用している。
しかし、最近よくある人気マンガやアニメの実写化とはいえ、果たして成功するのか? と既に疑問符が付いているようだ。配役の中でも、特にベム役の亀梨が原作ファンと亀梨のファンの両方から「イメージと合わないのでは…」と言われている。アニメ版のベムはスキンヘッドで逞しい体つきの壮年男性を思わせる外見のため、亀梨では若すぎるのでは、という意見がよく聞かれる。
また、ベロ役の鈴木福くんについても「『マルモ』での人気から来る福君のネームバリューを使っているだけ」という見方に加えて『マルモ』のように演技力を問われるタイプの役から、色物とも言える役へと転換するのが早すぎることから、一部では子役としても早々に限界を迎えつつあるのでは…と囁かれている。
役者だけでなく、ドラマ本編に対する不安もある。「妖怪人間ベム」の特徴はあの独特のどこか暗い世界観だった。シリアスな内容も良いが、はたして受けるのだろうか? と心配する見方もある。2006年にアニマックスにて、完全新作でアニメ版第2作が放映された事もあったが、こちらの評価もあまり芳しい物ではなかった。
キャスティングや内容の段階で、視聴者からも心配されている「妖怪人間ベム」。だが、同じく昔の妖怪アニメのリメイク作で、昨年の4月に同系列の同じ時間帯で放映された『怪物くん』の実写版は評価も高かった。そのノウハウを今回も活かして欲しいものだが…。