100年に1度と言われるほどの不況。しかし、負け組がいれば勝ち組も存在する。多くの小売業が業績低迷に苦しむなか、ドラッグストア業界は右肩上がりの成長を続けている。リーマンショックの影響も今のところない超売り手市場だ。
この6月には改正薬事法の施行を控え、例年以上に関心が高かったようだ。各社のサンプルが無料で配られることもあり、会場入口には入場待ちの長蛇の列。同ショー推進事務局によると、この不況下、3日間で12万6417人が来場したという。
出展した317社のなかでも人目を引いていたのが、アイデア商品メーカー「コジット」(大阪府)の「セルローラー」だ。突起のついたローラーを体の気になる部位に転がすことで、マッサージができる。“美のカリスマ”と呼ばれるタレントのIKKO(47)が、テレビで愛用していることを明かすなり売り切れが続出。大ヒット商品となった。
そのシリーズに今回は新しく「バストローラー」と「ヒップローラー」が仲間入りした。何が注目かというとその形状だ。「バストローラー」はこぼれ落ちてくるオッパイを両手で受け止めるような形。「ヒップローラー」は女性のお尻を背後からお触りするような実にイヤラシイ形をしていて、男の“ツボ”もドンピシャリと刺激する。ほほを赤らめながら手にする男性の多いこと…。巨乳や美尻に憧れる女性の注目も集めそうだ。
一方、できちゃった婚を避けたい女性には見逃せないブースもあった。大手避妊具メーカー「オカモト」(東京都)の「ビッグボーイ」だ。欧米型の食生活で、日本人の体格も欧米並みに近づいてきた。普通のコンドームではジュニアが窮屈と訴えるケースも増えており、心当たりのある男性はぜひ常備を。女性もイザというときのために備えておいて損はない。
同商品は世界最大級、直径46ミリを実現。今まで「締めつけがキツイ」とコンドームを嫌っていた“巨砲彼氏”にも安心だ。これなら彼女も気兼ねなく彼氏に装着してあげられるだろう。
大型ドラッグストアチェーンはいまや若い女性の“たまり場”の活況だが、女性のものと思えて意外に身近な健康・美容グッズもある。暇な時は一度、ドラッグストアに足を運んでみると新しい発見があるかもしれない。
○珍グッズ発見
怪しいグッズを発見! パッケージに書かれたイラストは何やら某男爵にそっくり。マカやガラナ配合の「男爵系サプリ」の文字が躍る。どうやら精力剤のようだ。ワイングラス片手に飲めとでも言うのか…。「パクリやないか〜い!」の声が聞こえてきそう!?
○改正薬事法とは
6月から施行される改正薬事法のメーンは、大衆薬(一般用医薬品)の販売が緩和されること。今まで薬剤師が常駐していなければ販売できなかった大衆薬が、今回の改正で薬剤師がいなくても登録制で販売できるようになる。
この規制緩和を待ち望んでいたのが、コンビニエンスストア業界だ。今まで栄養ドリンクしか置けなかったコンビニで、粗利益率が高い風邪薬や消毒薬なども販売できるようになる。コンビニ各社はこの改正に大きな期待を寄せている。
守る側のドラッグストア業界も負けてはいられない。改正を機に、業界には再編と競争激化の波が押し寄せる。今年のドラッグストア業界は激動の一年となりそうだ。