シャネル創業100周年でちょっとしたシャネル・ブーム。先にシャーリー・マクレーン主演ものが封切られたが、第2弾がこれで、主演はオドレイ・トトゥ。こちらは若き日のココ・シャネルのサクセス・ストーリーが中心。両親離婚、父親は出奔、母は病死。幼い姉妹として修道院にあずけられたシャネルは、持ち前の気の強さと、ファッションに対する感覚と才覚でフランスの服飾界にのし上がっていく。
マクレーンものより、こっちの方が服のデザインが一枚上で映画もアカ抜けている。
「男と女の不都合な真実」(TOHOシネマズ有楽町ほか、公開中)
女は脳で恋をし、男は体で恋をするって、ウソか本当か。それとも「好き」「愛してる」「やりたい」の順番の違いか、同時に思うのか。「オペラ座の怪人」などでセクシーな大人の男優として定評のあるジェラルド・バトラーと、テレビシリーズ「グレイズ・アナトミー」で大ブレークした明るくキュートなキャサリン・ハイグル主演。やり手のプロデューサーが、恋愛カウンセラーに恋の指南をしてもらうが、そのうち彼らの間にも…。R15、すなわちこれは大人のための男と女の本音トークと、思いっきりロマンチックなラブ・コメディーなのだ。
「リミッツ・オブ・コントロール」(シネマライズほか、公開中)
ジム・ジャームッシュ監督が風変わりな作品を作った。
“孤独な男”のコードネームを持つ殺し屋は「自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ」という指令を受ける。仕事中は銃を持たずセックスもなし。マッチ箱の中の暗号を頼りに相手を探してスペイン中を放浪する。
主演はイザック・ド・バンコレ。共演にティルダ・スウィントン、ガエル・ガルシア・ベルナル、工藤夕貴、ビル・マーレイなど豪華。
残念なのは敵の中に潜り込む場面が、観客のイマジネーション任せになっていること。ここが普通のスパイ映画と違うところだろう。