昨年は、空気が読めないという意味の「KY」なんて言葉が話題をさらった。そんな場の空気を読むのが昨今の風潮だが、そこに「一流になりたければ空気なんか読むな!」と真っ向から反論をぶつけるのが本書だ。
場の空気を読む現代人を「周囲との摩擦を避けて、いかに何事もなく生きていけるかばかりを考えていると言える“去勢されたような人たち”」とバッサリ。“去勢文化”を強く非難する。そして、国際競争の時代に生き残るためには「会社の空気」ばかりを読んで生産性を上げられらないビジネスマンになってはダメだとさとすのだ。
「去勢文化を勃起文化に変えるくらいの気構えがいまの日本人には必要」という大胆発言もオモシロい。
著者は元新聞記者とあって、明解な文章でスラスラと読めるのも良いところだ。(税別705円)