芥川賞作家の最新作はそんな5年間の「女の一生」の裏側を上下巻の長編で濃厚に描き切る。フィクションとしながら、実物とだぶる人物が次々に登場して緊張感はたっぷり。女子アナにあこがれる世間知らずな女子大生たちに、この本は危険すぎる。
そして、のっけから始まる官能小説顔負けのなまめかしい性描写も二重丸。上巻は無駄にエロくてややダラダラ。しかし、下巻に入ると登場人物にぐいぐい感情移入させられる。ラストはもう涙なしには読めない。
発売以来大反響で、講談社の社内にも在庫がないとのウワサの一冊。(税別1600円)