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「悶絶レジャー」心霊スポット八王子城跡でひとり肝試しハイク

 忘れたころに行きたくなるのが肝試し。夏の肝試しは素人にまかせておいて、マニアにはこれからがシーズン本番だ。本紙人気連載「山口敏太郎の不思議ワールド」で紹介した八王子城跡(東京都八王子市)は、都内でも有名な心霊スポット。戦国時代に関東で勢力のあった北条氏の重要な軍事拠点だった。休日を利用し、晩秋の“ひとり肝試し”とシャレこんだ。

 1590年6月23日に豊臣秀吉の軍勢に攻撃され一日で落城。北条方の戦死者は約1200人以上にのぼり、落城時には北条方の婦女子や武将らが近くの滝の上流で自刃、次々と身を投じたといわれている。
 事情通は「その後『忌み山』として付近の住民は近寄らなくなりましたが、今はハイキングコースなども整備されています。ただ場所が場所だけに肝試し目的も多いんですよ」と説明する。“ひとり肝試しハイキング”にはうってつけだ。
 JR高尾駅からバスで約10分。ハイキングコースは生い茂る樹木で雰囲気たっぷり。確かに道は整備され、空気もおいしいし、都内とは思えないほど自然をたっぷり満喫できる。「幽霊注意」ではなく「マムシ注意」の看板があった。
 城跡は随所に残っている。強固な石垣は築城当時のもの。岩の間にさらに小石を詰めていて全国でも珍しい。門までは急な25段の階段があり、一段の高さはおよそ40センチ。敵の進入を防ぐ目的でつくられたため、上るのは少し辛い。
 城の門は朽ち果て、落城の悲劇をしのばせる。しっかり写真に収めた。
 さらに歩くと、北条方関係者が身を投げたとされる滝にたどり着いた。落城当時は血で真っ赤に染まったという伝説があるが、滝といってもここから飛び降りて死ねるのか? と考えてしまうほどミニサイズ。ここが一番怖いスポットとにらんでいたので、やや拍子抜けしてしまった。
 結局、心霊現象を目撃することもなく、正味約40分のさわやかなハイキングは終了。しかし、周囲を見渡すと城主・北条氏照と家臣の墓の標識があった。ついでだと思って足を延ばすと、100段以上の階段。徐々に足が重くなる。もしかして霊気? 残念ながら単なる筋肉痛だった。
 やっとの思いで上ると“リアル八つ墓村”の世界が広がっていた。氏照の墓の背後には、もう何が刻まれているか分からないような古い墓石が無造作に散らばっている。家臣の墓なのだろう。周囲に人けはなく、かなり不気味だ。日中なのでそれほど怖くはなかったが、日が暮れる前に退散することにした。

 帰り道、近隣住民に話を聞くと「八王子城跡は今でもときどき自殺者が見つかったりするんですよ。私も車の中で亡くなっている方を発見したことがあります」と教えてくれた。さらに「城跡の門に首をつった方もいますよ」という。さきほど写真を撮った門だった。
 実はこの日、スーツ姿でハイキングコースに向かう途中、タクシー運転手や地元住民から「どこに行くの?」「何をしに来たんですか?」などと細かく聞かれた。完全に場違いな格好だったため、「もしや…」と無用な心配をかけてしまったようなのだ。しっかり軽登山の装備をしてくることをオススメしたい。

◎八王子城とは
 1587年ごろ北条氏照が築城。小田原城の支城として北条氏の軍事上の拠点だった。1590年6月23日、上杉景勝、前田利家、真田昌幸ら天下統一を進める豊臣秀吉軍1万5000人が包囲。一方、籠城(ろうじょう)した北条軍は、領内から動員した農民・婦女子を主とする領民を加えた約1000人程度。圧倒的優位の豊臣軍は城を一日で落とし、せん滅作戦が展開された。

◎八王子城跡までの道のり
 JR東京駅から中央線で約1時間揺られると高尾駅。北口1番バス停より西東京バス「高尾の森わくわくビレッジ」行きに乗車。15分ほどで「霊園前」に到着する。15分ほど歩くと八王子城跡の管理事務所。城外から御主殿に向う大手道を約20分進むと石垣付近だ。階段を上り、門を抜けて御主殿へ。階段を下りて川沿いに進むと第一目的地とした滝がある。管理事務所まで戻り、バス停まで向かう途中に「北条氏照の墓」の標識がある。標識に沿って進むと茂みに100段以上の階段が出現。上るとそこに氏照と家臣らの墓があった。

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