ダッフィーというのは、当初「ディズニーベア」という名で売り出されたテディ・ベア風のぬいぐるみである。それが徐々にマイナーチェンジを繰り返し、ついにファンの心をとらえた。
しかし、そのダッフィーが同時に火種となって騒動が起きている。
バレンタインデーに向け、ダッフィーの女の子バージョン「シェリーメイ」という新キャラクターが期間限定で発売されたのだが、そのあまりの人気に目をつけた転売業者が押し寄せ、最盛期には8時間以上の行列ができ、ヤフーオークションでは2万円以上の高値がつくほど価値が暴騰してしまったのだ。
1回の会計で、ひとり3体までという制限が設けられているが、4000円のぬいぐるみがその5倍以上の値段で売れるのだから、下手なアルバイトをやるよりも効率がいい。1日に2回並べば、単純計算でも3万円近い儲けが出てしまう。
しかも「アーント・ペグズ・ヴィレッジストア」と「マクダックス・デパートメントストア」という2店舗だけで販売されているこの商品、ダッフィーの故郷でもある「アントペグズ・ヴィレッジストア」で買ったことを証明するレシートが添えられていると、ファンの間では価格が跳ね上がるのだとか…。
この異常事態をOLC(オリエンタルランド)側も放っておくはずもなく、現在では、期間限定ではなくレギュラー商品としての継続的な販売を決定し、大量の商品を仕入れて暴騰した価格に歯止めをかけている。価格もだいぶ落ち着き、現在は定価の2倍程度にまで落ちてきたようだ。
だが、ヤフーオークションでは「シェリーメイ風ハンドメイド〜」などと名付けられた海賊版のテディ・ベアや編みぐるみが出回っており、こちらも最高価格は1万4000円程度。明らかに著作権違反だが、今のところ逮捕者などは出ていないようだ。ブログなどでは、悪質な転売業者に対する怒りの声が多く見られる。
ディズニーシーでの転売といえば、「嵐プレミアムナイト」というイベントが開催された際に、チケットが40〜50万円で取り引されたのが記憶に新しい。当選確率5000倍以上とはいえ、さすがにこれでは純粋なファンですら転売に心揺らいでしまうだろう。
ファンが泣き、何の思い入れもない転売業者がほくそ笑む現在の状況は、ぜひとも何とかして欲しいところだ。
(犬山秋彦 山口敏太郎事務所)
山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
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