松本はウエンツの挑戦に関して、特段の思い入れがあるのは確かかもしれない。なにしろ、松本自身がウエンツ同様に海外で自分の能力を試しているためだ。
「『進ぬ! 電波少年』(日本テレビ系)内で行われた『松本人志のアメリカ人を笑わしに行こう』ですね。アメリカのコメディはなぜつまらないのか、日本の方が面白いのではないかと疑問を持った松本がアメリカに渡り、現地の笑いをリサーチし、オリジナルのコント映像作品『サスケ』を制作し、アメリカ人の前で上映したのです」(放送作家)
実際の反応としては、大爆笑というよりは「ややウケ」といったところであった。のちに松本は「60点を取りにいく」「送りバントの笑い」と述懐している。
「最終的な上映会場に集められたアメリカ人は、男女比や人種の構成比などを実際のアメリカ国内の割合に合わせました。アメリカは人種のつるぼといわれるほど多様な人が集まっています。当然ながら笑いのツボも異なります。60点の笑いは手を抜いているわけではなく、誰もが笑えるものを作るわけですから、大爆笑を取りに行くより難しかったといえるでしょう」(前出・同)
世界に通用させるエンターテインメントの難しさを知る松本だからこそ、ウエンツを応援する気持ちもあるだろう。