森は今年だけで、「ファーストキス 1ST KISS」「国宝」「フロントライン」「秒速5センチメートル」などの話題作映画に出演。それぞれの作品では、物語を動かしていく重要な役割を担い存在感を見せつけている。
森は、2016年に地元・大分でのスカウトをきっかけに芸能界へ進出。2017年の映画「心が叫びたがってるんだ。」日本テレビ系ドラマ「先に生まれただけの僕」など次々と出演を決め、「オーディションにめっぽう強い15歳」と称されその名をとどろかせた。2019年には菅田将暉の主演ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(同)に生徒役で出演し、同年の新海誠監督のアニメ映画「天気の子」では、2000人超のオーディションを勝ち抜きヒロインの声優に抜擢。翌20年のNHK朝ドラ「エール」ではヒロインの妹役を好演し、知名度は一躍全国区となった。
だが、飛ぶ鳥を落とす勢いの大型新人の森にトラブルが勃発。2021年1月、突如森のインスタグラムのアカウントが閉鎖され、所属事務所のウェブサイトからもプロフィルが削除された。ファンは「もしや引退?」と騒然としたが後日、大手事務所とエージェント業務提携したことが発表されたのだ。
「森は2020年12月にデビュー以来所属している『アーブル』に契約解除を申し入れたことが報じられました。当時、『アーブル』との契約は2021年以降もまだ残っていたそうですが、年が明けてから『アーブル』との契約が終了したことが関係各所に通達されたとのことです。その裏では、『今後の仕事の顔合わせを“ドタキャン”するなど、最近になって異変も見受けられていた』といわれ、『今回の性急な移籍は、円満ではなく、森サイドの強硬な意向』と伝えられたのです。一部報道では、一番の要因として『森の母親』を挙げ、母親の現場介入が問題視され、母親が仕事現場に姿を見せることが目立ち、“ステージママ”ぶりが関係者の間で話題になっていたとのこと」(芸能ライター)
当時、森の事務所移籍騒動はワイドショーでも大きく取り上げられ、移籍に関する泥沼模様などがクローズアップされた。その結果、森にはマイナスイメージがついてしまった形となり以後、露出が激減。昨年までは“空白期間”となっていた。
「移籍後の森は『干された』ともいわれ、2023年放送の月9ドラマ『真夏のシンデレラ』では、俳優・間宮祥太朗とダブル主演を務めたものの平均世帯視聴率は5%台(関東地区・ビデオリサーチ調べ)という結果に終わり、厳しい評価を受けました。ぼちぼち出演作も増えてはいましたが、その評価は高いとは言えず騒動の余波はしばらく続きました。ところが、今年に入って森は大復活を遂げるのです。森は、作品に自然に溶け込む演技を得意とし、複雑な感情を持つキャラクターを見事に表現する力を武器に難役を物にしてしまうタイプのよう。これまでの清純派の演技を脱ぎ捨て、今年に入ってからはその本領を存分に発揮している印象を受けます。
かつて是枝裕和監督は、森について「森さんの中には小さな樹木希林がいる」と絶賛している。樹木さん(2018年死去)といえば、難役を次々とこなし、晩年まで圧倒的な演技力で多くの人々を魅了し続けたことから、森は“第二の樹木希林”としての素質があると称されている。
騒動も今となっては鎮火し、今後はパワーアップした演技でさらなる活躍を遂げるだろう。次回作は主演映画となる2026年春に公開予定の「炎上」が楽しみでならない。

