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【こんなトコ行ってみました!】 コワーイ映画と、-9℃の石の上で“こねくり回される”アイスたち

 イケメン好きの40歳独身女性記者コダイユキエ。あまり自由ではないが、きままな実家暮らしでもある。実家というのはサマザマなしがらみがついてまわるもの。今日は、姉の子供である13才の「ナマイキな姪」が家出してきたお話。自分では“いっちょ前のギャル”だと思っている中1女子が、千葉から憧れの六本木にやって来た。

 記者の姉のひとり娘である姪のP子(仮名)は、最近少々「カツマー化」している姉の仕事の忙しさに不満ぎみ。時々キレておばあちゃんの家(記者の家)に家出してくる。学校は私立で東京と千葉の間にあるので、どっちからも通え、ここのところ2,3日東京にあるウチに住み着いていた。目下反抗期のP子は母に反発し、髪を染めたり爪を伸ばしたりして過激な「ギャル化」が進行中。それにキレたおばあちゃんにも怒られてついにウチでも袋小路な状況に。記者が仕事から帰ってくると、「ねえ、ユキエちゃん明日どっかつれてってぇー」と擦り寄ってくるのだった。

 こいつが「どっかつれてって」という場合は「渋谷の109で服を買ってくれ」という事。余計な出費はしたくない。お正月もそれでえらく高い「お年玉」を払わされる事になって懲りている記者は、先日ペア鑑賞券が当たった映画『コララインとボタンの魔女』を見に行こうと提案した。最初は子供の映画だからと嫌がっていたP子。しかし、「3Dだよ」とか「鉄板アイスも行くよ」という甘い言葉にホイホイついてくる。しかも映画館はP子憧れの六本木ヒルズ。

 『コララインとボタンの魔女』は、手芸タッチのユニークなアニメファンタジー。見た目は可愛らしいのだが、反抗期の女の子が多忙な両親に愛想をつかして理想の世界に逃げ込み、そこで「コワーイ事」が起こるお話。記者は大体のあらすじを知っていた。映画が終わると、記者の「思惑どおり」に無口になってしまったP子。中一にもなって、マジで目がボタンにされたら「どうしよう!」と思ったようだ。3Dの効果はテキメン、とびだす魔女に追いかけられる主人公と自分が重なって、よっぽど怖かったらしい。

 渋谷に着いてもP子は109にも寄らずに歩き出し、とりあえず今流行の鉄板アイスが食べたいと言う。記者とP子はロボットみたいにやたら愛想がいい店員がいる(コールドストーンとかいう)店に入る。マイナス9℃の鉄板(実は石なんだけど)の上でコネコネされるアイスをじーっと眺めながら、P子がポツリと言った。「これ食べたらママのところに帰るネ…」。

 翌日、急激に“聞き分けが良くなった”P子の様子に驚いて、「どんな手使ったの!」と姉がメールしてくる。記者は、かかった費用の実費を姉に請求する事にした。
 「(映画はいいとして)アイス代二人分で占めて1200円になります」と送ると、「ずいぶん高いのね…」と。姉よ、P子の“お守り”代としては安いぞ!
 たかがアイスでも、ギャルが食べるモノだとけっこう高かったりするものだ。

<コダイユキエ>イケメン好きの40歳独身女性記者

イラスト:-9℃に冷やした鉄板ならぬ石の上で、“クルー”と呼ばれる店員がアイスをミックス!

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