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動画サイトにテレビ局の録画番組アップロードって地上波無料放送なら違法とはいえないんじゃない?

 身近な世相から事件、芸能、スポーツ、格闘技にいたるできごとで「これって法律的に大丈夫なの?」「こんなトラブルどうにかなんないの!」という疑問ってありますよね。それをリアルライブが支店数日本最多の弁護士事務所「弁護士法人アディーレ法律事務所」の敏腕弁護士たちに質問して解決策を探していこうという企画。今回は、パソコンで動画視聴する際に気になっていることだ。

◆CS放送などの有料放送はアップロードすると違法は理解できるけど…。

<Q>ユーチューブにアップ(動画共有サイト)されているCS放送などの有料放送は見るとマズイよね?だけど地上波テレビ番組の動画ならイイんじゃないかなあ?

 元ネタが有料放送ならNGで無料放送ならOK? そもそも番組アップロード自体がNGなのか? 判断がつきませんね。そこで著作権に詳しい島田さくら弁護士に聞いてみると…。

<A>
【アップロードする人】
 動画等の著作物をアップロードする行為は、著作権法上の送信可能化権(アップロード自体)や複製権(サーバに保存する権利)を侵害するものであり違法です。刑事罰の対象にもなります。有料放送でも地上波テレビ番組でも、関係ありません。

◇個人のアップロードは有料放送でも地上波テレビ番組も関係なし! 違法です。

【ダウンロードする人】
 動画等の著作物をダウンロードする行為も、自分のパソコンに取り込む際にコピーがなされるので、著作権法上の複製権(簡単に言えば、コピーする権利)を侵害するものであり違法です。

 以前は、ダウンロード行為は刑事罰の対象とはなっていませんでした。しかし、平成24年10月1日に著作権法が改正され、違法にアップロードされた有償著作物をそれと知りながらダウンロードした場合には、刑事罰の対象となり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科されることになりました。

 ですので、有料放送や地上波テレビ番組であってもDVDとして販売されているドラマのような有償著作物をダウンロードした場合には、刑事罰が課される可能性があります。
 一方、単にテレビで放映されただけで有償で提供されていない番組の動画をダウンロードしても、刑事罰の対象にはなりません。ただ、違法なので著作者から損害賠償請求をされる可能性はあります。

【ダウンロードせず、見るだけの人】
 違法にアップロードされた著作物を見るだけでも、見る人のパソコン内にキャッシュが生成されることから、厳密に言えば、複製権侵害にあたりそうです。しかし、キャッシュの場合は、複製権を侵害しないと考えられているので、見るだけであれば違法にはなりません。

◇社会のルール(法律)の底にあるものは子どもでもわかる「常識」

 小学校の図画工作の時間を思い出してください。自分の作品が他の子に取られたり、壊されたりしたらイヤですよね。社会のルール(法律)の底にあるものは、子どもでもわかる「常識」なんです。違法行為をしている人は、ぜひ子どもの頃のことを思い返してほしいですね。

【弁護士プロフィール】
島田さくら(しまだ・さくら)弁護士
大阪大学大学院高等司法研究科卒業。司法修習第65期。東京弁護士会所属。元カレからのDVや、妊娠が発覚した翌日にカレから別れを告げられるなど、過去のオトコ運の無さからくる、波乱万丈な人生経験をもとに、悩める女性の強い味方として男女トラブル、債務整理、労働問題などの身近な法律問題を得意分野として扱う。また2級知的財産管理技能士の資格も有する。家庭では1歳の男の子の子育てに奮闘している、シングルマザー弁護士。
所属事務所:弁護士法人アディーレ法律事務所 http://www.adire-bengo.jp/

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