“新宿副都心”と呼ばれるこの高層ビル群に新しいビルが建つ。西新宿1丁目に建設中の地下4階、地上50階建ての「モード学園コクーンタワー(仮称)」で、専修学校や店舗、ホールなどが入る予定という。
コクーンタワーの特徴はその丸みを帯びたデザインにある。低層建築ならまだしも、高さ203.65mのノッポビルにして中層階部分がふくらむ徳利型なのである。都庁舎やフジテレビ本社ビルなどを手がけた巨匠・丹下健三氏(故人)のご子息・憲孝氏が引き継いだ事務所が建築設計している。
通りを挟んだはす向かいに42階建ての損保ジャパン本社ビルがあるのがおもしろい。旧安田火災ビルといったほうがピンとくるかもしれないが、損保ジャパンビルは上層階に向かうほどスリムになっていくアーティスティックなデザイン。つまり、損保ジャパンビルのやせているところはコクーンタワーでは太っていて、逆に太めな部分はやせているわけだ。
“モード系”のコクーンタワーは、工事現場の外壁にも前衛的な絵画がペイントされている。サッカーでPKの壁をつくる選手が股間をガードしているシーンや、弾丸跡でひび割れた青空、SFチックなバイクにまたがる未来の女性ライダーなど。ちょっとした美術館のようだ。
コクーンタワーは今年10月末に竣工予定。対照的な両ビルが新宿西口で存在感を際立たせる日が近づいている。