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コンピューターゲームの20世紀 第5回…『ロマンシング サ・ガ』

<何度でも繰り返し遊べるフリーなRPG>
 今回紹介する『ロマンシング サ・ガ』が登場したのは1992年のこと。スクウェアに最も勢いがあった頃の作品である。本作は「フリーシナリオシステム」と呼ばれる、それまでのRPGにはなかった斬新なシステムが最大のウリ。主人公として選べるキャラは8人用意されており、最終的な目的は共通ながらも、そこへ至る道程はプレーヤーが任意のタイミングで行えるというもの。
 また、本作には時間の概念が存在し、これがゲームの進行に影響を及ぼす。時間は戦闘回数(エンカウント回数)によって管理されており、ある一定の戦闘回数をこなした上で特定ポイントを通過すると、ゲーム内の時間が進行、つまり新たなシナリオが追加されたり消滅する…といった具合である。
 このシステムを理解していないと、最悪の場合はゲームを詰んでしまうことも。一般的な日本産RPGと違い、あらかじめ進行ルートを頭の中に入れておかなければならないのである。これを面倒だと感じる人にはロマサガは向かない。また、「愛」「魅力」など意味不明のステータスが多いこともプレーヤーを困惑させる原因となっており、加えてチュートリアルが存在しないのも初心者には辛いだろうと思う(筆者自身はゲーム内のチュートリアルについては否定的だが)。

<このままでは日本のRPGは世界から見向きもされなくなる>
このシリーズはとにかく人を選ぶ。酷評された『アンリミテッド:サガ』ですら、人によっては神ゲー扱いである。だが、国産RPGが全てFFやドラクエのような一本道である必要はないし、またそうなってしまってはいけない。かつては海外RPGをプレイできたのは言語とハードの問題もあって一部のゲーマーだけに限られていたが、最近は各種ハードで日本語版が発売されることも多く、プレイしてみるとその途方もない自由度の高さに毎回驚かされる。
 ただ勘違いしないでいただきたいのは、日本はあまりにも一本道のRPGが多すぎるだけの話であって、自由度が低いからダメなゲームと言っているわけではない。多くの場合、ハードの進化でグラフィックが綺麗になったくらいで、やっていることはドット時代のそれと大して変わらなかったりするから困るのだ(本当にドット絵ならまだ楽しめそうな気もするが)。「イケメン主人公とその仲間たち(こちらもイケメンもしくは美女)がキザなセリフを吐きながら、たった数人で世界を救う」。そんな時代はもうとっくに終わりを告げたのだ。「ころしてでもうばいとる」。やはりこのくらいの意気込みがないと、世界なんてとてもじゃないが救えない。
 さて、そろそろ真剣に『Oblivion』や『Fallout3』のようなゲームを日本でも作らないと、日本はこのまま世界から取り残されてしまう。そこでロマサガの出番である。元々フリーシナリオがウリのロマサガなら世界に通用するRPGを作ることも可能だと思うのだが、スクエニのことだからまず迎合はしないだろう。その結果、あらぬ方向へと進まねばいいのだが…。ちなみに現時点でロマサガ新作は発表されていないのであしからず。(内田@ゲイム脳)

(C)1991 SQUARE

DATA
発売日…1992年1月28日
メーカー…スクウェア
ジャンル…RPG
ハード…スーパーファミコン

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