「連夜、最終回の攻撃で2アウトから得点しています。打線の粘りと言うか、諦めない雰囲気が感じられます」(プロ野球解説者)
試合後の岡田彰布監督も饒舌だった。
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打撃好調な大山悠輔、佐藤輝明に関する質問が出ると、「チャンスで(打順が)回ってくるからな。そらまあ、1、2番があんだけ出塁率が良いから、そらもう当然あれや、たまにノイジーでな止まる時もあるけど、アイツで繋がったらそらな、打点なるわな、そら」
と、一気にまくし立てた。
確かに、1番・近本光司、2番・中野拓夢の出塁率も高い。3番・ノイジーを含めた打線の繋がりについてまでしゃべり出すところが、“岡田監督らしさ”でもあるのだが…。
改めて調べてみたが、今季の阪神の延長戦は4試合目。3勝1分けだ。「延長戦に強い」ということはリリーフ陣が強固なのだが、それだけではないようだ。
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4月1日 DeNA・山崎康晃 (1点)
4月4日 広島・栗林良吏 (1点)
4月18日 広島・栗林良吏 (2点)
5月3日 中日・マルティネス (2点)
5月24日 ヤクルト・田口麗斗 (2点)
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阪神は「守護神キラー」でもある。DeNA、広島、中日、ヤクルトの4球団のクローザーに「負け」を付けており、4月18日・栗林、5月3日・マルティネス、同24日・田口がマウンドに上がった時点では「1点ビハインド」の状態だった。また、2022年セーブ王のマルティネスは、今季2点しか取られていない(25日時点)。その2点を取ったのはトラ打線であり、いかに勝負強いかが分かる。
「岡田監督は見逃し三振を嫌います。空振りしての三振なら、『力不足』ということで納得しますが」(在阪メディア)
1か月ほど前だった。バンテリンドームでの3連戦を終えた4月23日、その中日3連戦で合計4点しか取れなかった打線の不甲斐なさについて聞かれ、
「打てるヤツがおらんのよ」
と、ボヤいていた。
1か月でこんなに変わるものだろうか。
「例えば、1番の近本はスロースターターで、春先はいつも打撃成績がイマイチでした。他選手も同様です」(前出・同)
岡田監督がガマン強く起用したのも大きい。だが、こんな話も聞かれた。
「スライダーを得意球とする投手と対戦したら、普通はスライダー以外のボールを狙うよう指示を出します。でも、岡田監督はその得意球を狙えと言う時があるんです。好投手ならなおさらで、『失投なんか来ない』と考え、得意球を打つことに活路を見出さなければと考えます」(阪神OB)
対戦チームのクローザーに打ち勝っているのは、そんな“逆転の発想”によるものなのかもしれない。
5月26日から甲子園に帰って、宿敵巨人との3連戦を迎える。巨人・大勢に打ち勝てば、セ5球団のクローザーに「負け」を付けたことになる。(スポーツライター・飯山満)