今回の動画で下柳氏は現役時代(1991-2012)にFA権を行使した2003年オフ(阪神時代、結果は残留)、2007年オフ(同)にそれぞれメジャー移籍の可能性があったという裏話を話したが、話の流れで動画スタッフが「ちなみに藤浪はどう見てる?」と今季からメジャーで戦う藤浪について質問。下柳氏は「一言、言いたいんだけど」と前置きした上で、藤浪への批判に苦言を呈した。
今季の藤浪は先発として4試合に登板するも「0勝4敗・被安打19・四死球15・防御率14.40」と結果を残せず。4月25日にはリリーフに配置転換されたが、リリーフでも「8.2回9失点(自責8)・被安打8・四死球9・防御率9.35」と苦戦している。
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これまでの藤浪については、現地メディアやファンが“球史で最悪の先発投手”などとやゆしていることが伝えられており、日本国内のファンからも「日本人投手の評価が下がる」などと厳しい意見が上がっている。ただ、下柳氏は「そこまで叩く権利のある人たちがどこにいるの?」と、バッシングが行き過ぎているのではと問題視した。
同氏は続けて「環境もボールも変わって今苦労してるけど、もうちょっと応援してあげようよ」、「(気温)10度あるかないかのようなところから、突然ロサンゼルスとかめちゃくちゃ暖かいところに行ったり、湿気があったり乾燥してたり。アメリカって広いからさ、そんなところをグルグルしててうまく調整しろって言われてもそうそうできない」とコメント。メジャー移籍1年目の投手がいきなり環境に適応し結果を出すのは並大抵のことではないと指摘した。
「調子よくなったら大谷(翔平)対藤浪とか、吉田(正尚)とか鈴木誠也とか、そのへんの対戦って楽しみやん。みんなで応援して、メジャーリーグをもっと楽しめるようにしてきましょう」という下柳氏。復調した藤浪が日本人打者たちと熱い勝負を繰り広げることを期待して応援する方が有意義ではとファンに呼びかけた。
下柳氏の発言を受け、ネット上には「確かに今季の藤浪はちょっと叩かれすぎな感じもある」、「終わってみればそれなりの数字まで持ち直してる可能性もあるわけだしなあ」などと同調の声が上がったが、中には「大した根拠もないのに応援しろとか言われても説得力がない」、「慣れるまで待とうねは甘えでは、それなりにカネ(推定年俸4億円超)ももらってるのに」といった否定的な意見も見られた。
苦戦が続く藤浪だが、5月11日のニューヨーク・ヤンキース戦では「2.1回無失点・被安打0・四球1」とロングリリーフで無失点投球。また、同月13日のテキサス・レンジャーズ戦では2点ビハインドの延長11回表1死一、二塁と厳しい場面で起用されたが「0.2回無失点・被安打0・四球1」と追加点を許さなかった上、その裏にチームがサヨナラ勝ちを収めたことでメジャー初勝利も転がり込んでいる。復調の気配が少しずつ見えてきているといえそうだが、今後も着実に結果を積み重ねることはできるのだろうか。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
下柳剛氏の公式YouTubeチャンネルより
https://www.youtube.com/@yanaginikaze