番組では3月8~22日にかけ行われたWBCを制した侍ジャパンの戦いぶりや舞台裏について、栗山監督や選手のコメントを交えながら振り返った。その中で、栗山監督は3月10日の1次ラウンド第2戦・韓国戦前にヌートバーから出場を熱望されたという話を明かした。
ヌートバーは3月9日の1次ラウンド初戦・中国戦に「1番・中堅」で先発し、「4打数2安打」とマルチヒットをマーク。ただ、栗山監督によるとヌートバーは同戦中に右足をつるアクシデントに見舞われていたという。
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ヌートバー本人はプレーに支障はないという口ぶりだったそうだが、栗山監督は「僕的には結構、肉離れに近いものの可能性があると思って」と重症の可能性を危惧。そのため、翌日の韓国戦はスタメンから外そうと考えヌートバーに伝えたという。
ところが、栗山監督は「(実際には)そういう言い方じゃないですよ?」と補足を交えつつ、ヌートバーから「何言ってんだお前!」、「俺何のために日本に来たんだ!」と言わんばかりの熱量で出場を直訴されたという。同監督は「通訳を通じて『絶対に何があっても出る!(足が)壊れても行きます!』っていう(気持ちを感じた)」と、ヌートバーの気迫に驚かされたと振り返った。
栗山監督の発言を受け、ネット上には「ヌートバーにスタメン落ち危機があったのは知らなかった」、「故障してもいいから出させてくれってはっきり言えるのは凄い」、「直訴を受け入れた栗山監督も漢だな」、「仮に先発外れてたら韓国戦以降の試合は相当苦戦してたんじゃないか」といった驚きの声が寄せられた。
韓国戦でも「1番・中堅」でスタメン起用されたヌートバーは、「0-3」と3点ビハインドの3回裏に逆転の口火を切るタイムリーを放つと、「4-3」と1点リードの4回裏には遊撃後方にフラフラと落ちる打球をダイビングキャッチするなど攻守で躍動し「13-4」の大勝に貢献。その後も故障離脱はしないままスタメンを張り続け、最終的には大会通算で「7試合・.269・0本・7打点」をマークしている。
ヌートバーの活躍もあり世界一に輝いた侍ジャパンだが、もし中国戦でのアクシデントが故障離脱につながっていた場合は、韓国戦以降の試合で相当な苦戦をしいられていた可能性もありそうだ。
文 / 柴田雅人