注目が集まったのは、「0-1」と中日1点ビハインドの4回表1死二、三塁でのこと。ヤクルト先発・サイスニードは打席の龍空に対し、カウント「2-1」からの4球目にカットボールを投じる。ところが、手元が狂ったのか、このカットボールは龍空の背中上部付近へ向かう死球寸前の球になってしまった。
しかし、龍空は捕手・中村悠平の方へ顔を背けながら、とっさに身をかがめて間一髪で球を回避。避ける際に脱げたヘルメットをかぶり直すとそのままプレーを続行し、フルカウントからの7球目を見極め四球をもぎ取った。
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結果的には死球交代、危険球退場といった展開は免れたが、この場面についてネット上には「なんて球投げるんだ危ないだろ!」などとサイスニードに対する批判が上がった。一方、被害者側である龍空にも「避け方が危なすぎてヒヤヒヤした」、「今の球は避けるより受けるべきだっただろ」、「当たらなかったとはいえから怖過ぎる、後頭部直撃なら下手したら死んでたのでは」といった苦言が寄せられた。
「野球では体に向かってきた球を変に避けようとせず、体を背けて背中で受けた方がリスクは少ないとされています。過去には大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)も『背中は大きな筋肉がついているので重傷にならない。それよりインサイドを打ちにいって手首に当たる方が危ない』と証言したことも伝えられていますが、龍空は受けずに回避を選択。幸いにも大事には至りませんでしたが、身をかがめる際にヘルメットが脱げ後頭部がむき出しの状態になっていたため、そこに球が直撃すれば命に関わる事態になっていた可能性もゼロではなかったのでは」(野球ライター)
龍空は昨季7月ごろから遊撃レギュラーとして台頭し、今季は本格ブレークが期待されている若手選手。打撃、守備はもちろん、死球対策も今後の課題といえそうだ。
文 / 柴田雅人