付き人時代、師匠である笑福亭鶴瓶司会の番組『突然ガバチョ!』(MBS)に参加。以来、レギュラー番組はほとんど切らせたことがなく、テレビの第一線で活躍した。特にTBS系の『噂の!東京マガジン』は長年に渡りレギュラーを務めており、全国レベルで「お茶の間の人気者」となっていた。
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『東京マガジン』はレギュラー陣の平均年齢の高さ、森本毅郎以下レギュラーメンバーがほとんど変わらない事でも知られているが、そんな「ファミリー感」を逆手に取った「ドッキリ企画」が放送された時には、そのあまりのリアルさに視聴者から「衝撃作」「神回」といった声が相次いだ事もあった。
2017年にTBSで放送された『ドッキリアワード』という番組では、『東京マガジン』のアシスタントである小島奈津子をターゲットに、森本武郎、井崎脩五郎、山口良一以下、全員がドッキリを仕掛けるという大がかりなものだった。本編撮影後、『東京マガジン』レギュラー陣全員揃ってのスチール撮影が行われたのだが、その際、後列で清水国明と笑瓶さんが「手が当たった」「当たってない」と大喧嘩を始めてしまったのだ。
番組の若手である風見しんごと深沢邦之は「まあまあ」「落ち着いてくださいよ」と二人の間に立っていたが、ついには殴り合いのケンカになってしまう(そもそも清水は笑瓶さんの師匠である鶴瓶の旧友であり喧嘩が出来る訳もなく、お笑いに詳しい人ならこの時点でドッキリと分かる)。
『東京マガジン』の父親的ポジションである森本は「おい!お前ら何やってんだ!」「やめろって言ってんだろうが!」「コラ!」と大声で一喝。ようやく収まったが、鬼の形相の森本は、清水と笑瓶さんをスタジオの外へと連れ出してしまった。
あまりの出来事に小島は何もできず涙を浮かべるばかり。ついには井崎までもが「長年みんなで仲良くやってきたのにね」とポツリと言い、「番組打ち切り」を小島に匂わせた。そして森本が戻ってきた時「ドッキリ」である事が明かされたのだが、その際、小島は安堵の気持ちからか、ボロボロと泣き出してしまったのだ。
実際、清水と笑瓶さんのケンカにはかなりリアリティがあり、森本のリーダーとしての説得力、井崎の(競馬と同じく)「先を読む力」などが全てが合わさり、このドッキリは「傑作」として大きな評判を呼び、視聴者も森本のあまりの怖さに「思わず泣いてしまった」という人も多かったという(ドッキリが成功して、ここまで評判になるのは珍しい)。
今回の訃報も「ドッキリであって欲しい」と感じた視聴者も多いのではないだろうか。