1月23日、阪神が7月25日からの巨人、広島各3連戦で着用する“ウル虎イエローユニフォーム”を発表した。岡田彰布監督が「派手やな、着たら」と言ったそうだが、その“モデル”として登場したのは、大山悠輔内野手と「開幕投手候補」に再浮上した青柳晃洋投手。岡田阪神が好スタートを切れるかどうか、そのカギはエース・青柳が握っているが、キャンプ、オープン戦での調整が難しくなってきた。
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その理由はワールド・ベースボール・クラシック(以下=WBC)にある。青柳は侍ジャパン30人から落選しているが…。
「青柳がポロッと言っちゃたんです。『入れ替え枠』に自分も入っている、と」(在阪メディア)
WBCは一次ラウンド終了後の準々決勝ラウンド、米国ラウンド(準決勝、決勝)の計2回、ラウンドごとに2人ずつの選手入れ替えが可能となった。
「侍ジャパンの栗山英樹監督は投手の入れ替えを視野に入れています」(プロ野球解説者)
途中招集される可能性がある選手への通達はもちろんだが、所属球団にも了承を得ておかなければならない。阪神は「青柳の途中招集」を快諾しているが、こんな指摘も聞かれた。
「青柳はNPB公式球で自主トレをしています。WBCで使用されるボールは異なります。WBC準々決勝は3月15日から(日本は16日に試合)、ここで侍ジャパン合流となった場合、青柳はキャンプ終盤か、オープン戦途中でWBC球に変えて調整をやり直すことになります」(前出・同)
アンダースローの青柳は投球のキレ、制球力で勝負する。WBC球はNPB公式球よりも縫い目がやや高く、白地の革部分の感触も異なるという。当然、変化球の軌道も変わってくる。
「青柳は開幕投手を務めたいと強く願っています。昨季はいったん選ばれたものの、新型コロナウイルスに感染してしまい、悔しい思いもしました」(球界関係者)
岡田監督も2年連続最多勝・青柳の置かれた立場を分かっているのだろう。開幕投手は「白紙」にしている。
「岡田監督は第一次政権やオリックス指揮官時代、キャンプイン前に開幕投手を決め、本人にも伝えることが多かったんです。その方が投手は調整しやすいと言って」(前出・同)
開幕投手の最有力候補は青柳だろう。しかし、WBCに途中招集された場合、他投手を選ばなければならない。セリーグのペナントレースは3月31日に始まる。「3月15日の準々決勝まで決められない」となった場合、青柳を含め、阪神の先発ローテーション投手は「初登板日」を逆算しての最終調整に入れなくなる。
WBCが始まったら、侍ジャパンの栗山監督は入れ替え枠にいる投手に「呼ぶ。呼ばない」を明確にしなければならないだろう。
「カッコイイと思ってもらえるようなプレーをして、このユニフォームがカッコいいんだっていう印象をつけたい」
“ウル虎イエローユニフォーム”の発表で、青柳が語っていた。自主トレは順調に進んでいるという。“入れ替え枠の弊害”で調子を落とさなければいいのだが…。(スポーツライター・飯山満)