DeNAから戦力外通告を受け、再起をめざしていた三上朋也投手が原巨人と育成契約を結んだ。
1月16日の契約締結後、オンライン会見に臨んだ三上自身の話によれば、先週末、巨人から連絡をもらったという。
「戦力外通告を受けた選手は年内にオファーをもらえなかったら、『諦めるケース』が多いんですが。三上は年が明けてからも宮古島に行き、そこで練習を続けていました」(球界関係者)
宮古島から帰り、急ぎスーツに着替えて、巨人の球団事務所に向かったそうだ。
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「小谷(正勝)さんが話をつけたんだと思う。2020年、巨人を解雇された宮國椋丞がDeNA入りした際、その橋渡し役も務めているし」
多くの関係者がそんなことを口にしていた。
小谷氏は巨人、旧横浜、ヤクルトなど複数の球団で投手コーチを務め、多くの好投手を育て上げてきた。その教え子の中に三浦大輔監督、巨人・山口鉄也投手コーチもいるので、そんな話も出たのだろう。
その真相はともかく、リリーバーとして実績十分な三上が復活すれば、大きな戦力となるのは必至。しかし、三上に対する評価が両極端に分かれているのだ。
「過去の登板過多の影響で、肩やヒジの状態が良くなかったんです。以前はボールの勢いだけで抑えている感もありましたが、変化球の割合も増えてきました」(スポーツ紙記者)
“小谷氏の仲介”が本当なら、復活のメドも立たない投手を推薦することはしないだろう。
昨年8月26日だった。三上はヤクルト・村上宗隆にソロアーチ(47号)を献上し、試合にも敗れている。「三冠王・村上がスゴイ」と言えばそれまでだが、当時のDeNAとヤクルトの試合は“首位攻防戦”。DeNAの快進撃で、三上が村上に一撃を食らって試合を落とすまでは「4ゲーム差」だった。
不甲斐ない救援陣に自身を制御できなかったのだろう。温厚な三浦監督が「コメントはありません!」と吐き捨て、球場を後にしている。その試合を観たプロ野球解説者が、三上についてこう評していた。
「肩やヒジの状態、年齢的なものでボールの勢いがなくなっていました。新しい投球スタイルを確立するのか、それとも、ボールの勢いを取り戻すのか。そこが復活のポイントになりそう」
昨季の巨人の救援防御率は、3・80。リーグワーストだ。人員不足の感もあるので、ペナントレース前に「支配下」となるのではないだろうか。
また、こんな見方ができる。47号を食らったのが三上なら、55号の日本選手最多タイ記録を献上したのは、巨人の守護神・大勢だ。
「大勢は村上にリベンジしたいと思っています」(前出・球界関係者)
巨人投手陣が昨季、村上に打たれた本塁打数は「8」。広島、中日が「13本」を献上しているので“多い”とは言えないが、村上は巨人投手陣から最も多い28打点を稼ぎ出した。村上にリベンジしたい気持ちは三上も同じはずだ。
「村上対策」で、Gブルペンにも早く馴染めるのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)