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1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)のテーマ館《太陽の塔》(1970年/川崎市岡本太郎美術館(c)岡本太郎記念現代芸術振興財団)で知られ、今日でも幅広い世代の人々を魅了する芸術家・岡本太郎(1911ー1996)。
1929年に渡仏した岡本太郎は、抽象表現に影響を受けながら画家としてのアイデンティティを確立していったという。帰国後、自らの芸術理念の核となる「対極主義」を提唱し、制作のみならず『今日の芸術』などの著作において、多彩な文化・芸術論を展開し、世間に強烈なインパクトを残した。《太陽の塔》を頂点とする巨大な彫刻や壁画など、生活の中で生きる作品群は、「芸術は大衆のものである」という岡本太郎の信念そのものを象徴し、現在もなお、多くの人々を惹き付けている。
同展では、代表作はもちろん、これまであまり注目されてこなかった晩年の作品なども含め、《太陽の塔》だけではない、岡本太郎の全貌が紹介されている。
先だって開催されていた大阪中之島美術館とは展示構成もがらっと変わり、東京展のみの出品作も多数。東京都美術館の会場ならではの新しい発見や体験ができる。
音声ガイドナビゲーターを担当するのは俳優の阿部サダヲ。《太陽の塔》が建った1970年に生まれた阿部は、同展がナビゲーター初挑戦だという。岡本太郎の足跡をたどりながら、時に岡本太郎になりきるナビゲートは必聴だ。
人気の作品たちが絶妙なセンスでデザインされたオリジナルグッズも見逃せない。《太陽の塔》についている3つの顔のポーチ、《坐ることを拒否する椅子》(1963年/川崎市岡本太郎美術館)がデザインされた左右柄の違うサンダル、岡本太郎の作品がギュギュっとつまったTシャツなど、インパクト大なアイテムが多数揃っている。
「展覧会 岡本太郎」
日時:2022年10月18日(火)から12月28日(水)
会場:東京都美術館(東京・上野公園)
公式サイト:https://taro2022.jp/