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2022年、創立150年を迎えた東京国立博物館。明治5年(1872)の発足以来、日本でもっとも長い歴史をもつ博物館として、文化財の保存と公開、日本の文化を未来へ、世界へ伝えていく役割を果たしてきた。同展は、この大きな節目を記念して開催、約12万件という膨大な所蔵品の中から、国宝89 件すべてを含む名品(会期中展示替えあり)と、150年の歩みを物語る関連資料を通して、東京国立博物館の全貌を紹介する。
中でもやはり注目されているのは、国宝89件の展示(会期中展示替えあり)。これは同館150年の歴史上はじめてで、奇跡的なことだという。この内、博物館としては日本最多の所蔵数である国宝刀剣全19振りも、同じ展示室内で一挙公開される。この「国宝 刀剣の間」は、日本刀の美しさをじっくり鑑賞できるようデザイン、ライティングされた展示空間となっている。
この19振りの刀剣の内、《太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)》(東京国立博物館所蔵、全期間展示)、《太刀 銘 備前国包平作(名物 大包平)》(同)、《短刀 銘 吉光(名物 厚藤四郎)》(同)、《刀 無銘 貞宗(名物 亀甲貞宗)》(同)、《太刀 銘 長光(大般若長光)》(同)、《太刀 銘 備前国長船住景光 元亨二年五月日(小龍景光)》(同)の6振りは、日本刀の名刀を男性に擬人化した人気PCブラウザ&スマホアプリゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』に刀剣男子として登場。これら全てが展示されることでも注目されている。
日本刀成立初期の名刀としても有名な《三日月宗近》と《太刀 銘 安綱(名物 童子切安綱)》(同)は、刀身(刃がある部位)の寸法が全く同じだという。共に刃の長さが80cm、反りが2.7cmという偶然に一致している2振りだが、与える印象が全く異なる。《三日月宗近》は刀身が細く、手元が強く反り先が細くなっており、全体的に優美な印象を与えている。対して《童子切安綱》は、全体的にカーブしておりがっしりとした力強さが出ている。これは、京の都で制作された《三日月宗近》に対し、伯耆国(ほうきのくに)・鳥取県で制作された《童子切安綱》と、作者の居住地の地域文化が刀の姿に反映されているといい、見比べてみるのもいいだろう。
同展のグッズコーナーでは、『刀剣乱舞-ONLINE-』同6振りとのコラボグッズも販売。館内に刀剣男子が並んで立ち、背景には国宝が並んでいるビジュアルのクリアファイルは、裏面が6振りの写真が並ぶデザインとなっており、ファンならば手に入れたい一品。他にも、トートバッグやしおりなど多数ラインアップされている。
他にも、同展で展示された国宝89件すべてを掲載した唯一の展覧会図録も登場。多数の論文やコラムを収録した同館の名品と150年の歴史を楽しめる決定版となっている。《埴輪 挂甲の武人》(東京国立博物館所蔵、全期間展示)のぬいぐるみや、《遮光器土偶》(同)のフェイスクッション、銅鐸の抱き枕など、ここでしか手に入らないオリジナルグッズも多数ラインアップ。サンリオキャラクター・シナモロール、イラストレーター・Mika Pikazoなどとのコラボグッズも販売される。
同展の音声ガイドプログラムのナビゲーターは、俳優の吉沢亮。落ち着いた話しぶりで作品の魅力を紹介している。
特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
東京国立博物館 平成館 特別展示室
会期:2022年10月18日(火) ~ 2022年12月11日(日)
公式サイト http://tohaku150th.jp/
公式twitter https://twitter.com/tohaku150th
※本展は事前予約制です。詳細は展覧会公式サイトをご確認ください
※会期中、一部作品の展示替えを行います