楽しいはずの文化祭で生徒による恐ろしい刺殺事件が発生したのは1990(平成2)年のことだ。
9月某日、大阪府のある大学付属の女子高校で文化祭が開催されていた。
有名な女子高校で開催されるということもあり、他校の生徒も参加し大きな盛り上がりを見せていた。だが、若いエネルギーがぶつかると、どうしても起こってしまうのが暴行トラブルである。
文化祭の見物に来ていた15歳のA高校の生徒は、B工業高校の生徒と肩がぶつかったことから口論となった。B高の生徒は同級生と一緒に来ていた。殴る蹴るの大げんかとなり、一時劣勢となっていたB高の生徒が、護身用に所持していた刃渡り11センチのナイフを持ち出した。
ナイフはA高の生徒の胸に深く刺さり、怖くなったB高の生徒はその場から逃げ出してしまった。
その後、救急車が文化祭中の女子高にやってきて現場は一時パニックとなった。
事件から3時間後にA高の生徒は死亡。しばらくして「もう逃げられない」と観念したB高の生徒が警察へ自ら出頭し、逮捕となった。
文化祭は中止することなく続けられたようだが、他校同士のけんかに巻き込まれる結果となり、女子高校はとばっちりを受けた形だ。
文化祭中、けんかや集団飲酒など生徒同士のトラブルはこれまで数多く報告されているが、死亡事件にまで発展したのは珍しい。事件が発生した女子高ではこれ以降、文化祭中の警備がより強まったという。