今回の動画で下柳氏は2月中旬に阪神春季キャンプを視察した際に首脳陣と交わした言葉や、同月15日のシート打撃で目についたプレーなどを話した。その中で、佐藤が同日のシート打撃中に全力走塁を怠っていたと指摘した。
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下柳氏が問題視したのは、ドラ2・鈴木勇斗が佐藤を含む3名に連続四球を与え1死満塁とした後、梅野隆太郎に犠牲フライを打たれ1点を失った場面。梅野の打球は左翼フェンス手前まで伸びる大きな当たりだったため、三塁走者の佐藤は悠々と本塁に生還した。
ただ、下柳氏は「三塁走者のタッチアップが全力じゃない」と佐藤は全力疾走ではなかったと指摘。また、「これ三塁にうまく(返球)つながれてアウトになったら点数入らんよ」と、三塁の判定次第では得点が入らない展開もあり得たと指摘した。
この場面では佐藤が本塁を踏むより前に、二走の三塁進塁を阻止しようとした返球が三塁に到達している。判定はセーフだったが、仮にアウトなら野球規則に定められている「3人アウトになってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつこれに触れた場合には、その都度、1点が記録される」というルールにより、佐藤は3アウト成立後に本塁を踏んだとして得点が認められなくなる状況だった。
「二塁走者走らないと思ったのかな?(でも)二塁走者スタート切ったから、それ見えるはずやから」と疑問を口にした下柳氏。「やれることきっちりやってほしいな」、「(佐藤は)『三塁アウトになってないからいいじゃないか』って言うかもしれんけど、常に全力でやっといた方がシーズンには役立つんじゃないかなと思うんだけどね」と、常に全力プレーを心掛けるべきと苦言を呈した。
この下柳氏の発言を受け、ネット上には「佐藤がそんな怠慢走塁してたとは知らなかった」、「公式戦、対外試合じゃないからって舐めすぎだろ」と驚きの声が挙がった。同時に、「去年矢野監督に怠慢プレー怒られたのを忘れたのか?」、「こんな調子ならまた矢野監督によくないって説教されるぞ」といった心配の声も多数みられた。
矢野監督は1月18日放送の『朝生ワイド す・またん!』(読売テレビ)に生出演した際、2021年8月25日・DeNA戦で佐藤がDeNA・牧秀悟の打球を全力で追わなかった(結果は三塁打)ことに激怒し、「チーム全体としても、お前にとってもよくない」とカミナリを落としたことを明かしている。今回の下柳氏の指摘を受け、再び矢野監督の怒りを買う展開を危惧しているファンも少なからずいるようだ。
オープン戦では9日終了時点で打率「.333」と好調で、開幕スタメンはほぼ確実視されている佐藤。ただ、シーズンでも怠慢プレーが出るようであれば、これまで積み重ねてきた信頼を一気に失う可能性もゼロではなさそうだ。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
下柳剛氏の公式YouTubeチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCdOs2kfP7gdqAvfWcjHLV-A