報道によるとこの日取材に応じた立浪監督は、開幕戦の3月25日・巨人戦にエース・大野雄大を先発起用すること、既に昨年11月の秋季キャンプ中に大野には伝えていたことを公表。同時に、「柳も開幕投手を目標にやっていたと思うが、柳を一回呼んで説得する形で話した。理解してくれてるかどうか分からないが、今年はこらえてくれと言いました」と、もう一人の開幕投手候補だった柳をフォローしたことを明かしたという。
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柳は昨季「26登板・11勝6敗・防御率2.20」をマークし最優秀防御率、最多奪三振(168個)の2冠に輝き、多くのファンから今季の開幕投手を期待されていた投手。本人も昨年12月に出演した『大沢広樹のドラゴンズステーション』(東海ラジオ)の中で「今年までは、正直自分がそれを口にしていいのかという気持ちはあったが、来年は自信を持ってめざしたい」と意気込んでいた。ただ、立浪監督は「昨年は柳も非常にいい成績を残したが、ここ数年の成績を見れば大野雄大」と、過去3シーズンで計27勝を挙げ沢村賞(2020)、最優秀防御率(2019-2020)、最多奪三振(2020)も獲得している大野を優先したと説明している。
柳を直接フォローした立浪監督に対し、ネット上には「こういう気遣いを怠らないのは素晴らしい」、「柳は当然悔しいだろうが、監督から直接説明されたことでいくらか救われた部分もあるのでは」と好意的な声が挙がった。一方、「現役時代に大ショック受けた自分と同じ目には遭わせたくなかったのか?」、「柳を気遣ったのは、説明の無い起用で傷ついた自身の経験も関係してるんじゃないか」とフォローの背景を推測するコメントも多数みられた。
「立浪監督は現役時代の2006年7月に当時の落合博満監督から事前説明・フォローがないまま三塁レギュラーを外された経験があり、引退翌年の2010年に出版した自著の中では『私は傷ついた。宣告もされずに代打専門にかわることなど、受け入れる気持ちにはなれなかった』と当時は相当なショックを受けたことを明かしています。そのため、立浪監督はこの苦い経験を踏まえて、柳を手厚くフォローするに至ったのではとみているファンも少なからずいるようです」(野球ライター)
1日の報道では、柳について「(先発陣の)中心であることは間違いない。大野と柳で引っ張ってもらいたい思いがある」と語ってもいる立浪監督。開幕投手からは外したものの、ローテの中心として並々ならぬ期待を寄せているようだ。
文 / 柴田雅人