報道によると、練習試合・日本ハム戦が雨天中止となったこの日、立浪和義監督の発案で根尾、石川昂弥、岡林勇希、鵜飼航丞の4野手がブルペンで投球。送球練習と気分転換を兼ねての投球だったが、根尾は25球を投げ最速144キロをマーク。練習終了後に取材に応じた立浪監督は、4名の中で誰が一番投手に向いているかという質問に根尾の名を挙げるなど評価したという。
根尾は大阪桐蔭高校時代に投手兼遊撃手としてプレーし、2018年の甲子園春夏連覇の立役者となっている。ただ、同年ドラフトで中日から1位指名を受けると、仮契約交渉の場でプロでは遊撃一本で行きたいと直訴し球団側も承諾。翌2019年から昨季まで公式戦では1試合も登板していない。
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根尾のブルペン投球を受け、ネット上には「もう何年も投げてないのにまだこんな球速出るのか」、「直球だけじゃなくてツーシームやカットボールも投げたみたいだし器用すぎる」と驚きの声が寄せられた。一方、「一軍生き残りのために、今後も投球練習継続的にやるべきでは」、「今年は延長12回制だし、『いざという時は投げられます』って感じで投球能力をアピールしておけば色々可能性も広がるんじゃないか」と、投球練習の本格化を期待するコメントも多数みられた。
「今季のプロ野球は3年ぶりに延長12回制が復活することで、各球団はいつ来るか分からない延長戦に備え、リリーフ陣をなるべく温存しながらブルペンを運用する必要に迫られています。そのため、序盤で大差がついた試合などではリリーフの消耗を減らすため、野手をマウンドに送りイニングを稼いでもらうという戦略も十分選択肢に入ります。そのため、根尾は今のうちにある程度投げられることを首脳陣にアピールしておけば“守備固め兼敗戦処理要員”、あるいは“二刀流”をこなせる選手として一軍に生き残れる可能性も上がるのではとする意見は散見されます。ただ、球界では投手がプロ入り後に野手に転向したケースは少なからずありますが、野手から投手、もしくは二刀流に転向した例はほとんどないため、敗戦処理限定で投手運用するとしても極めて異例のやり方です」(野球ライター)
23日の報道によると、練習後は「傾斜を使うことでスローイングのいい練習になるので、ラッキーでした」と充実ぶりを口にしたという根尾。高校時代は甲子園で「7登板・5勝0敗・防御率1.93」と素晴らしい数字を残しているが、その投球がプロの舞台で復活することは果たしてあるのだろうか。
文 / 柴田雅人