>>阪神・佐藤、6月から故障を隠していた? 秋季練習別メニュー報道が憶測を呼ぶ「あのアクシデントが原因では」<<
今回の番組で新井コーチは一軍打撃コーチとして選手を指導する際に心がけていることや、来季の活躍を期待する阪神野手などをテーマにトークを展開。指導についてのトークの中で、番組MCの狩野恵輔氏(元阪神)から「今年で言うと佐藤とか超スーパースターが入ってきたわけじゃん。急に『ボーン!』って。(新井コーチは)佐藤とか見てて何を一番気をつけたん?」と質問されたことをきっかけに、新井コーチは佐藤への指導方針を明かした。
2020年ドラフトで1位指名を受け阪神に入団した佐藤は、翌2021年のオープン戦で12球団トップの6本塁打を放つなど結果を残し開幕一軍切符をゲット。迎えたシーズンでは「.238・24本・64打点」と球団の新人最多本塁打記録を塗り替える打棒を見せ、12月15日の『NPB AWARDS 2021』では阪神の中野拓夢、伊藤将司、ヤクルト・奥川恭伸、DeNA・牧秀悟と共にセ・リーグ新人特別賞を受賞している。
ただ、新井コーチは今季佐藤に対しては「何も言わない、気持ちよくやらせる」と、自分から指導を行うことはほとんどなかったと告白。続けて、「これは(チーム)方針でもありました。(矢野燿大)監督も『基本、あいつに好きなようにやらせてあげよう』って言って(た)」と、他の首脳陣もアドバイスは極力控え、本人のやりたいようにプレーさせる方針をとっていたことを明かした。
また、新井コーチは「基本聞いてあげる(スタンス)。こっちがいきなり言うんじゃなしに『どうなんや?』とか」、「あいつ(佐藤)もああ見えて、良くも悪くも曲げない芯の強さがあるから、それを大事にしながらうまく付き合っていくという(感じだった)」とも発言。佐藤側から助言を求められた際も、本人の意思を最大限尊重した上で指導していたと語った。
新井コーチの発言を受け、ネット上には「佐藤に対して放任主義のスタンスを取ってたのは初耳」、「まだ何の実績も無い新人相手に自由にプレーさせてたのは意外だな」といった驚きや、「下手に野放しにしたせいで後半戦とんでもないレベルの不調になったのでは」、「コーチなら言うべきことはちゃんと言えよ、じゃなきゃ来年も今年みたいな失速やらかすぞ」といった呆れ声が多数挙がった。
「今季の佐藤は前半戦終了時点で『.267・20本・52打点』と20本塁打をクリアし、新人王獲得は濃厚とみられていた選手。しかし、後半戦は『.158・4本・12打点』と急失速し、8月22日・中日戦から10月3日・中日戦にかけてはセ・リーグ史上ワースト記録となる59打席連続無安打を喫するなど深刻な打撃不振に陥りました。急失速の原因については五輪中断期間中に他球団の研究・対策が進んだことなどが挙げられますが、今回の新井コーチの話を受け、首脳陣が適切な指導を行わなかったことも不振の長期化を招いたのではと不満を抱いたファンも少なからずいるようです。なお、阪神の新人では2015年ドラ1の高山俊に対し当時の金本知憲監督が放任主義のスタンスをとったことが知られていますが、高山は2016年こそ新人王に輝いたもののその後は不振が続いています」(野球ライター)
後半戦の大不振から、来季の活躍を不安視する声も少なくない佐藤。チームでは貴重な左の大砲である佐藤をつぶさないためにも、首脳陣には放任主義のスタンスを改めることが求められているといえそうだ。
文 / 柴田雅人