31日の女子個人ロードタイムトライアル(同)で金メダルを獲得し、1996年アトランタ大会で柔道男子71キロ級を制した牛窪多喜男氏の46歳を上回り日本パラ史上最年長金メダリストとなった杉浦。前人未踏の50歳でのダブル金をかけて、今大会最後の出場種目であるロードレースに臨んだ。
>>パラ自転車女子・杉浦、史上最年長での金に「大事故を乗り越えて…」「ただただ尊敬」歓喜の声 有言実行の走りに大喝采<<
1周13.2キロのコースを3周して順位を争う同種目。杉浦は2周終了時点までページ・グレコ(オーストラリア)、王小梅(中国)らと先頭集団を形成していたが、ラスト半周(1時間4分ごろ)でスパートを仕掛ける。このスパートで王以外の選手を先頭争いから振り落とすと、1時間7分10秒ごろに再スパートをかけ王も置き去りに。単独トップに立った杉浦はそのまま「1時間12分55秒」のタイムでゴールし見事金メダルに輝いた。
50歳ダブル金を実現させた杉浦の活躍を受け、ネット上には「杉浦選手勝ちきった! タイムトライアルに続いてロードでも金!」、「25年ぶりの最年長記録を3日で更新するとは…凄さのあまり言葉が出ない」、「1個目の金から中2日でもう1つ金獲るなんて鉄人すぎるよ」といった喜びの声が多数寄せられた。
また、最終盤でのスパート連発で勝負を決めた点についても「終盤まで力溜めた作戦が見事にハマったな、にしてもどこにそんな体力を秘めてたんだ」、「雨降ってて体力消耗してるんじゃって思ってたけど、スパート連発を見る限り全くの杞憂だったな」、「少し間を空けての再スパートも策士だな、追ってる側としてはあれやられたら確実に心折れるだろ」と、戦略的な走りだったとする称賛のコメントが複数挙がった。
タイムトライアルで金メダルを獲得した直後のインタビューでは、「最年少記録は更新できないけど、最年長記録はまた更新できる」と語っていた杉浦。言葉通りの走りは多くの人々に勇気と感動をもたらしている。
文 / 柴田雅人