>>デコトラから布袋! パラリンピック開会式、まさかの演出に「夢見てたんかな?」の声も アトランタ閉会式に続き2度目の出演<<
杉浦は2016年に出場した自転車のロードレースで転倒し高次脳機能障害や右半身のまひなどが残ったが、そこからパラアスリートに転身し2017年のロード世界選手権・女子ロードタイムトライアルC3クラス、2018年の同ロードレースC2クラスをそれぞれ制している選手。パラ初出場となる今大会は25日のトラック女子3000メートル個人追い抜き(運動機能障害C1~3)で予選5位で敗退、27日のトラック女子500メートルタイムトライアル(運動機能障害C1~3)では全体4位で惜しくもメダルを逃していた。
しかし、自身の初メダルをかけて臨んだ31日の女子ロードタイムトライアルでは前半から1位をキープすると、後半も順位を落とすことなく粘り切り「25分55秒76」で見事金メダルを獲得。50歳での金メダルは、1996年アトランタ大会で柔道男子71キロ級を46歳で制した牛窪多喜男氏を上回る日本パラ史上最年長の記録となった。
歴史を塗り替える金メダルを獲得した杉浦の活躍を受け、ネット上には「50歳で世界の頂点に立つのは凄すぎる、それだけ練習してきたってことだろうからただただ尊敬」、「大事故を乗り越えて金まで辿り着くなんて言葉が出ないな、自分なら絶対にできない」、「歴史に残る走りを見せてくれて本当にありがとう」と喜びの声が多数寄せられている。
また、杉浦が25日の3000メートル個人追い抜き予選敗退後に「ロードでは見てろよって思っている」と語っていたことを引き合いに、「『見てろよ』って言葉を自分で実現させたのは凄いな」、「宣言通りに金メダルを獲ったのはあまりにもかっこよすぎる」、「ロードで悔しさは晴らすって自分で重圧かけて、その通りの走りを見せた精神力は素晴らしいの一言」と有言実行の走りを称賛するコメントも複数挙がった。
試合後のインタビューでは「お世話になった方々に、恩返しできたかな」と自身を支えてくれた人々への感謝を口にした杉浦。9月3日には最後の出場種目である女子個人ロードレース(運動機能障害C1~3)が控えているが、前人未到の50歳でのダブル金にも期待が高まっている。
文 / 柴田雅人