同戦に先発した戸郷は自身初となる中4日での登板だったが、「5回2失点・被安打7」と粘りの投球を披露。2019年から続いていた対ソフトバンクの連敗(11連敗/オープン戦含め14連敗)をストップする立役者となった。
問題となっているのは、試合後のヒーローインタビューで飛び出たコメント。インタビュアーからこの日の投球の感想について聞かれた戸郷は、「圧倒的な打者がとても多いですし、その中で2失点に抑えられたことは、今年の日本シリーズに向けて僕自身いい戦いになったのかなと思います」と回答。日シリでは昨季まで2年連続4連敗を喫している“天敵”からの勝利に手応えをにじませた。
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この発言を受け、ネット上には「『今年の日本シリーズに向けて』ってなんだよ、阪神のことは眼中に無いってことか」、「2位なのにもう日シリ気分、首位阪神に喧嘩売ってるのか」、「セの首位ですら無いのにこのコメントはちょっと調子に乗り過ぎでは?」といった阪神ファンからの批判が多数寄せられている。
一方、「この発言のどこに怒る要素があるのか理解不能」、「戸郷は過去2年の悔しさ踏まえて言ってるだけだろう、それなのに阪神ファンは過剰反応し過ぎ」、「今首位なのになんで阪神ファンはそんなに余裕無いの? もしかして2008年の再来を恐れてるの?」と、批判に対する指摘や苦言も複数見受けられた。
「戸郷は2019年、2020年のシリーズはどちらも中継ぎとして登板していますが、2019年は『1登板・0勝1敗・防御率0.00(4失点/自責点は0)』、2020年は『3登板・0勝0敗・防御率3.18(2失点)』とどちらも今一つの数字に終わっています。そのため、本人としては過去2年の悔しさを今年シリーズに出て晴らしたいという気持ちから今回の発言に至ったのでしょう。一方、現在首位の阪神ファンが戸郷の発言をやり玉に挙げたのには、2008年の歴史的V逸が関係していると思われます。同年の阪神は7月のオールスター前に優勝マジックが点灯するなど序盤は好調でしたが後半で急失速。その結果、巨人にセ・リーグ新記録となる最大13ゲーム差からの逆転優勝を許しました。そのため、戸郷を批判する阪神ファンが、2008年の悪夢再来を恐れるあまりピリピリしているのではないかという意見も多く見られます」(野球ライター)
30日は阪神も西武に勝利したため、巨人とのゲーム差は4.5のまま変わらず。それでも、今後の優勝争いへ不安を抱える阪神ファンは少なくないのかもしれない。
文 / 柴田雅人