「打撃不振の丸佳浩をスタメンから外しました。ベンチ入りメンバーを確認したら、28日に先発した畠世周も登録されていました。畠は実際にブルペンにも行っていたので、状況次第では本当に投げさせるつもりでいたんだと思います」(現地メディア)
先発・戸郷翔征も中4日での登板だった。
総力戦か? こんなスクランブル態勢の状況を聞かされると、対ソフトバンク戦の連敗脱出に懸ける思いがいかに強かったのかが窺える。しかし、この総力戦には悲壮感はなかったようである。
「菅野智之に復帰メドが立ったようです。早ければ、次々節の日本ハム戦で先発してくると思われます」(球界関係者)
菅野は5月7日のヤクルト戦で「右肘の違和感」を訴え、以後、ファームで調整を続けていた。戸郷を「中4日」で使わざるを得なかった理由も「菅野不在」によるものだが、
「メルセデスも帰って来るので、戸郷は次の先発登板を休ませるようです。だから、中4日で30日に投げさせました」(前出・同)
との声も聞かれた。
その通りだとすれば、菅野、メルセデスの復帰により、「戸郷の次のローテーションを飛ばして休ませてやることもできる」と判断したのかもしれない。
「戸郷が降板した後、6人もリリーフ投手を投入しました。大竹寛が三軍戦で投げています。このクラスのベテランを三軍で投げさせたということは、一軍復帰が近いから、急いで実戦テストをさせたかったのでしょう」(前出・同)
戦線を離れていた主力投手たちに帰還のメドも立ちつつあるようだ。
「首位阪神とのゲーム差がなかなか縮まりません。菅野たちが帰還するまでの間、これ以上引き離されないようにするため、ソフトバンク戦で総力戦を仕掛けたみたい」(ベテラン記者)
阪神追撃の態勢は整いつつあるようだが、「万全」というわけではない。チームリーダー・坂本勇人についてはファームでもまだ実戦調整ができていない。
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また、昨季のシーズン途中でのトレードが功を奏し、「今年も仕掛けてくるのではないか?」との噂も絶えない。しかし、こんな声も聞かれた。
「シーズン中のトレードともなれば、交渉先の相手チームにサインを教えることになりかねません。だから、同じセ・リーグ同士ではトレードはできません。交渉先はパ・リーグ球団に限られてしまうわけですが、交流戦中なので無理」(前出・同)
まずは次々節の日本ハム戦で復帰する菅野には、絶対に勝ってもらわなければならない。それでチームを鼓舞することができなければ、ライバル阪神は本当に独走態勢を固めてしまうだろう。巨人の総力戦はもうしばらく続きそうだ。(スポーツライター・飯山満)