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モデルは『北斗の拳』?80年代に実在した恐ろしい少年窃盗団【衝撃の未成年犯罪事件簿】

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画像はイメージです

 昭和末期の1987(昭和62)年、なんとも時代を感じさせる一風変わった少年窃盗団が逮捕された。

 この少年窃盗団は神奈川県、東京都などで日常的に自動販売機を荒らすなどしていた不良少年グループで、15~19歳とすべて未成年で構成されていた。

 彼らが一風変わっていたのは、そのネーミングセンスである。彼らはグループ名を「風の旅団」として窃盗を繰り広げていたのだが、この「風の旅団」とは週刊少年ジャンプの漫画『北斗の拳』(原作・武論尊)に登場するバイク部隊から名前を拝借したものであった。

 また、グループ内には様々な厳格なルールが存在し、「風林火山」をもじり「素早い仕事は風のごとく」「隠れること林のごとく」といった窃盗の心得をスローガンにしていた。犯行時には盗みに入った人間が呼吸を合わせるためファミコンゲーム『スーパーマリオブラザーズ』のテーマソングを口ずさみ、危なくなったら口笛を吹く。「捕まったとしても仲間のことは話してはならない」など、本物の窃盗団顔負けの手法で盗みを続けていたという。

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 彼らはもともと、ゲームセンターで知り合い、全員がテレビゲームやパチンコの大ファンであったという。

 警察の調べによると、自販機荒らしでもうけた金は1000万円以上に及ぶというが、そのほとんどはゲームソフトやギャンブルに消えていたという。

 彼らは今で言う「漫画ファン」「オタク」に当たる存在かもしれないが、1988年には人気ファミコンソフト『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…』の発売をきっかけに「ドラクエ強盗」(ドラクエソフトを購入した小学生をターゲットにしたカツアゲ事件)が社会問題になるなど、テレビゲームと少年犯罪は決して遠い存在ではなかったのである。

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