1983年の横浜浮浪者襲撃殺人事件、1988年の名古屋アベック殺人事件という大人数で1人ないし2人の大人をリンチする殺人事件のほか、1989年には罪のない少女を誘拐し監禁しコンクリート詰めにした東京・綾瀬の女子高生コンクリート詰め殺人事件など、猟奇的な少年犯罪が多数発生している。
そんな80年代の少年犯罪の中で知名度はあまり高くないが、忘れてはならない凶悪犯罪がある。1984年、宮崎県の学校に通う中学生3人が逮捕、補導された。
彼らが補導されたのは、近所に住む住民達への無差別攻撃であった。
調べによると、3人は近所に住む同級生や主婦、老人など24人に対し鉄パイプなどで殴った罪に問われているという。
なお、彼らは学校では真面目な少年で通っており、鉄パイプを片手に罪のない人を襲う人間ではなかったはずなのだ。
彼らが凶行に至るきっかけは、ある他校との喧嘩だった。繁華街で隣町の中学生から因縁をつけられ殴りつけられるという事件が発生した。
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彼らは「仕返しをしよう」と殴った中学生を探すが見つからず、次第に同校の中学生を見つけ次第、喧嘩を吹っ掛け殴りつけるようになったという。
そして犯人捜しより、暴行することに快感を覚えてしまった3人は次第に、主婦や老人、女子中学生など、力の弱い相手を見つけ次第、殴りかかるようになっていたという訳だ。
彼らの手口はまさに「ゲーム」そのものであった。人気のない道や暗闇に潜み、力の弱そうな女性を見つけると鉄パイプで殴りつけ、さらに弱ったところで暴行を加えていったという。
幸いにも死者は出なかったが、中には全治1か月ほどの重傷を負った被害者もいたため、彼らは罪に問われる事になった。
80年代の少年犯罪の中ではあまり知名度のない事件ではあるが、1983年の浮浪者襲撃殺人事件、1989年の女子高生コンクリート詰め殺人事件の間の事件と考えると、当時の荒れる少年像がよく表れた事件と言えよう。