1965年某月某日、宮城県のある神社で奇妙な事件が発生した。この神社周辺には毎朝多くのハトがやってきて、参拝客を楽しませていた。だが、ある日の朝、境内で数羽のハトが横たわって死んでいるのが見つかった。
通常、ハトは体が弱ってくると巣や木の穴など隠れられる場所で死んでいくため、境内で死ぬのは珍しい。それどころか神社の周りでは多くのハトが弱って飛べなくなり道端に落ちていたのだ。
「これはいったい何事だ?」
神主は弱っているハトを1羽、社務所へ持っていくとハトは口からはヨダレを流し、目は真っ赤に充血していた。生き残っているハトも同じような症状であった。
「あっ!これは毒の仕業だ!一体だれがこんなかわいそうなことを……」
神主や神社の関係者はハトが飲まされた毒を消そうと塩水などを飲ませたが効果はなく、その日の晩までに数十羽が死んでしまった。
翌日、神社へやってきた神主はさらに驚きの光景を見た。なんと、今度は100羽近いハトが神社の周りで死んでいたのだ。
神主はすぐに警察に連絡。しばらくして2人の中学生が捕まった。この中学生は数日前から農薬の入ったえさを神社の境内にバラまいており、大量のハトを殺した罪に問われた。
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だが、捕まった中学生は驚くべき証言をした。「えさをまいたのは事実だが、農薬が入っていたとは知らなかった」「えさをくれたのは知り合いの小学生だった」と付け加えたのだ。
警察は、中学生の証言を信じることにし、えさを渡した小学生2人を補導。2人は衝撃の動機を口にした。
彼らが農薬入りのえさをバラまいたのは、自分たちが飼っているハトを探すためだったというのだ。
この小学生2人は自宅でハトを飼っていたが、神社へ連れて行った際に逃がしてしまい、自分たちのハトがどれだか分からなくなってしまった。
2人はハトを1羽ずつ捕まえて確認しようとしたが、ハトの動きは素早くて捕まえることができず。そこで近所の知り合いの中学生にも声をかけ、毒入りのえさを口にさせ弱っているところを捕まえようとしたのだ。
だが、農薬入りのえさは彼らの思っている以上に効果が出てしまい、怖くなり本当のことを言えなくなってしまったのだ。
なんとも、人騒がせな少年による怪事件であった。